まさに諸刃の剣、最大の武器が自らの首を絞めたのか。
MLBのアストロズは、4月11日(日本時間)のマリナーズ戦で1回途中に5四死球3失点、わずか37球で緊急降板した今井達也を、15日間の負傷者リスト(IL)に入れたと発表した。右腕の疲労のためだという。
メジャー2度目の登板となった4月4日の敵地アスレチックス戦で6回途中3安打無失点、9奪三振の快投で今後が期待されていただけに、チームにとっても今井本人にとっても、痛い足踏みになった。
なぜ早々に離脱することになったのか。
「以前から言われる、日本より硬いメジャーリーグのマウンド、NPB球よりひと回り大きく縫い目が雑で滑りやすいMLB球が故障の原因ではないか、との声があります。しかしそれよりも、今井の最大の武器である魔球、逆方向のスライダーの多投が原因だと考えているMLB関係者が多いですね。 なにしろこの魔球は『MLB.com』が特集したほどのボールですが、リスクもあります」(MLBアナリスト)
平均15センチの逆曲がりは時に30センチにも
通常、スライダーは利き腕と反対方向に変化する。右投手なら右から左だ。ところが右投げでありながら、今井の場合は左から右に大きく曲がる。しかも平均して15センチも水平方向に変化し、時には30センチになる、とのデータがある。
メジャーリーガーにもアレックス・ラング(ロイヤルズ)やワンディ・ペラルタ(パドレス)のように、逆方向のスライダーを投げる投手はいるが、彼らの曲がり幅はせいぜい2~3センチ程度で、今井レベルは皆無だ。
「メジャー1年目の緊張感がある上に、環境も違う。しかも日本では、場合によっては手を抜ける場面では手が抜けたが、メジャーではいきなりそうはいかない。立ち上がりからアクセル全開だったでしょうからね。これまで以上に肩、肘に負担がかかっていたのは間違いない」(前出・MLBアナリスト)
復帰時期は未定だが、復帰しても逆方向の魔球スライダー多投は、再発のリスクを伴う。西武から3年86億円で移籍した今井だが、最大の武器を封じられることになれば、大規模なモデルチャンジを強いられることになる。早くも正念場が訪れるのか…。
(阿部勝彦)

