入門60年目を迎えた落語家の桂文枝が、83歳の誕生日である7月16日(木)に大阪・なんばグランド花月で『桂文枝独演会~落語家60年目のハレ舞台~』を開催します。4月10日(金)には、なんばグランド花月で開催発表会見を実施。文枝が出席し、節目となる独演会に向けた意気込みを語りました。

「上方落語を支えて次の世代に」
なんばグランド花月の舞台に用意された高座に上がった文枝は、「7月16日で満83歳になり、落語家生活も60年目を迎えます」とあいさつ。そして、今回の独演会について「60年を20年ごとに時代を区切って、最近ではあまり舞台でやっていない創作落語を三席やります」と話しました。
予定されているのは、芸歴20年までに作った「にぎやか寿司」と、そこから40年目までに作った「じいちゃんポスト」、それ以降に作った「AIから始まる」です。「AIから始まる」は、生成AI(人工知能)のGoogle Geminiと掛け合いで作ったものです。文枝は「60年の階段を上ってきた集大成を満83歳でお披露目したい。それまで健康に注意して頑張っていきたいです」と意気込みました。
当日は、ザ・ぼんち(ぼんちおさむ、里見まさと)などのゲストも出演予定で、文枝は「これまでテレビや舞台で一緒に仕事をしてきた、ともに頑張ってきた皆さんに祝っていただきたい」と語ります。

記者から「改めて桂文枝という大名跡を背負うことを決めたときの思いは?」との質問が出ると、文枝は、上方落語の止め名である大きな名前を空白にしておくのはもったいないと思ったことや、一門の後押しもあって襲名を決めたことなどを振り返りました。また、周囲の先輩落語家が次々と鬼籍に入るなか、「自分が上方落語を支え、次の世代につないでいかなければならない」という思いも口にしました。

「まだまだ理想の落語家に近づけていない」
途中、これまでの芸能人生を振り返り、長門裕之・南田洋子夫妻に「落語をやめてタレントになったら」とすすめられたエピソードを語る一幕も。当時、文枝は「僕は落語が好きで落語家になったので」と断ったそうで、長門夫妻が「それなら頑張れ」と文枝の紋が入った座布団を5枚、贈ってくれたとか。そんな文枝も「こんなに長くやれるとは思いませんでした」と語ります。
そして落語家生活60年目にしてなお「落語は奥が深い」と次のように語りました。
「まだまだ理想の落語家に近づけていないので、これからも一生懸命頑張って近づいていきたいと思います。いまは、噺家になってよかったという思いでいっぱいです」

今年12月1日に入門60周年の節目を迎える文枝は、今後の目標についても口にしました。
「いま創作落語が350席に近づいているのですが、500席という大きな目標を決めたので、さらに頑張っていきたいと思います。最近は文枝としての自覚が出てきて、ちょっと前までは、そんな余裕がありませんでしたが、いまは次の世代の人たちに頑張ってもらうために『よしもとピン芸人倶楽部シアター』という公演を立ち上げ、落語家にも入ってもらいました。
落語だけじゃなく、司会もできて、いろんなバラエティにも出て、落語会にお客さんを呼べるような芸人を送り出したいと思っています」