4月12日、NBAの2025-26レギュラーシーズンが幕を閉じた。
昨年の今頃、プレーオフに向けて新たな闘志をたぎらせていたインディアナ・ペイサーズの大黒柱タイリース・ハリバートンは現在コート外で、別の敵と戦っている。
オクラホマシティ・サンダーと対戦した昨年のNBAファイナル、優勝がかかった第7戦の開始7分、ハリバートンは右アキレス腱断裂の大ケガを負った。
今季はリハビリのため全休することになったが、ケガが順調に回復する中で、彼のトレーニング復帰を遅らせていたのは別の病気、帯状疱疹だった。
レギュラーシーズン終了時に行なわれるメディアセッションでハリバートンは、このウイルス性の病との戦いについて赤裸々に語った。
「親父もファイナルの時に(湿疹が)お腹にできていた。そのあたりに出る人が多いみたいなんだけど、僕の場合は顔に出た。だから、最初の頃は、出たくてもカメラの前には出られなかったんだ。顔中に広がっていて、目はほとんど閉じてしまっていたからね」
初期は発疹のみだったが、2週間後には猛烈な痒みに襲われた。
「本当に最悪だったよ。僕がいつもメガネをかけているのは顔を触らないようにするためなんだ。眉毛も一部なくなってしまったし、掻いてしまうせいで目はいつも腫れている。調子のいい日もあるけど、ほとんどは悪い日だ。本当に辛いよ」
さらに薬の副作用によって体重が増加したことも明かした。
「症状は今もまだ続いていて、治すために信じられない量の薬を飲んでいるけれど、あまり効果は出ていない。そのせいで体重も増えて、それがSNSで話題になってしまって……でも仕方ない。とにかく楽しいことではないし、できるだけ早く治ってほしいよ」
黒縁メガネに、あご周りはふっくらとしていて、一見すると別人のようにも見える。帯状疱疹は神経痛を伴うことが多いが、ハリバートンも2か月前から痛みを患っているという。
「(痛みが)どれくらい続くのかは正直わからない。同じ経験をした人たちはそれほど長い期間ではないと言っているから早く治ってほしいとは思っているけれどね。でもいつ終わるかはわからない」
幸い右足首は順調に回復していて、すでに5対5のトレーニングを始めている。本来であればオールスターブレイク明けにスタート予定だったが、帯状疱疹を発症したことでタイムテーブルの変更を余儀なくされた。
「でも今はほぼすべてを制限なしでできるようになった。インターンのスタッフたちが本当に素晴らしくて、いつも励ましてくれたり、走れる状態になるのをサポートしてくれた。だから今は何でもできているよ」
まだ完治はしておらず、現在も帯状疱疹と戦っているハリバートンからのメッセージは、「50歳を過ぎたら、ワクチンを打った方がいい。本当にきついから」とのこと。 帯状疱疹は、免疫の低下や精神的なストレスなどで発症することが多い。辛いリハビリの最中に、ストレスを感じていたのかもしれない。
正司令塔不在で戦った今季のペイサーズは、19勝63敗でイースタン・カンファレンス14位に終わった。
来季の復活に向け、今夏はドラフトで有望なルーキーを手に入れ、ハリバートンの復帰とともに再起を図りたいというのがフロントの願いだろう。
チームは今年2月にイビツァ・ズバッツとコビー・ブラウンを獲得した見返りとして、ベネディクト・マサリン、アイザイア・ジャクソン、ドラフト1巡目指名権2つと2巡目指名権を放出。
1巡目指名権は2026年と29年のもので、今年の指名権は5位~9位になった場合はクリッパーズへ渡り、それ以外の順位であれば2031年の1巡目指名権が譲渡される。
現在のチーム状況、豊作と言われる今年のドラフトクラスを考えれば、何としてもロッタリーで上位4位以内を引き当てたいところだ。
「SNSではかなりいじられてる。最近、タイリース・”ハリバーガー”(ハンバーガーのもじり)っていうのも見たよ」と自虐的に語っていたハリバートン。
アスリートとしては、体重増加は堪えるだろうが、苦難の先にある復活を信じ、来季の復帰に臨んでもらいたい。
文●小川由紀子
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