バスケットボール界で繰り返されるGOAT論争と並び、もうひとつ興味深いのが「ゲームを最も変えた選手は誰か」だ。
元NFL選手のエマニュエル・アチョとルショーン・“シェイディ”・マッコイの2人が持論を展開している。
アチョとマッコイが司会を務めるスポーツトーク番組『SPEAKEASY』で、「ゲームを変えたNBA選手トップ10」をテーマに議論。紹介されたリストの上位は、1位がステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、2位がマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)、3位がマジック・ジョンソン(元ロサンゼルス・レイカーズ)、4位がレブロン・ジェームズ(レイカーズ)、5位がウィルト・チェンバレン(元サンフランシスコ・ウォリアーズほか)だった。
カリーがジョーダンよりも上の1位と聞いたアチョは、「カリーを1位にするのは、ジョーダンに対して失礼だと思う」と語った。
「私にとってゲームを変えたかどうかを測る基準は、その選手の『系譜』がどれほどインパクトがあるかどうかだ。カリーはトレイ・ヤングやラメロ・ボールに影響を与えたかもしれない。
しかし、ジョーダンはあのコビー・ブライアントに影響を与えたんだ。ジョーダンは、比喩的な意味でコビーという存在を『誕生させた』と言ってもいい。どれほど多くの、そしてどれほど支配的な選手を後に生み出したかという点において、ジョーダンこそがバスケットボール史上最大のゲームチェンジャーだ」
一方で、マッコイは「ジョーダンは偉大な選手だが、皆が彼を真似して『ダンクを決めよう』『フェイダウェイを打とう』としていた時代とは違う。今は、どのチームを見ても、カリーの影響でひたすら3ポイントを打ちまくるゲームになっているんだ」と現役のカリーを支持した。
「かつてのNBAは、ミドルレンジからのシュートや、ゴール下のビッグマンを介した攻防が中心だった。でも、今ではミドルレンジでシュートを打つことは“効率の悪い選択”だと見なされるようになっている。
今のNBAでは、どのチームも1試合に30本、40本もの3ポイントを放つ。カリーが1人で15本も打つこともある。今の時代、シュートが撃てなければ試合に出ることすらできない。1番(ポイントガード)から5番(センター)まで、すべてのポジションの選手に3ポイントを決められる能力が求められるようになった」 前人未到の3ポイント成功数4000本の偉業に加えて、ハーフライン付近からのディープスリーや、自陣からのスーパーショットも幾度となく決め、シューターの概念を覆してきたカリーは、3ポイント全盛のトレンドを作り出し、「バスケットボールそのものを変えた」とも言われる。
マッコイは、「カリーが『ゲームを変えた』と言える最大の理由は、子どもたちのプレーを見れば分かる」と続けた。
「今の子どもたちは、3ポイントラインのさらに数メートル後ろからシュートを打っている。我々がプレーしていた頃なら、そんな遠くから打てばすぐにベンチに下げられたはずだ。
でも今の子たちはステフに憧れ、彼を真似して、ハーフコートライン近くから平気でシュートを打つ。そして、それが今では許容されるどころか、武器になっている。バスケットボールというスポーツの概念を、育成年代のレベルから根底から変えてしまったんだ」
ジョーダンvsカリーでどちらに軍配を上げるかは人それぞれの判断によって変わるが、カリーがバスケットボール界に大きな影響を与え、語り継がれていく偉大な存在であることは間違いない。
構成●ダンクシュート編集部
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