非常に心配なニュースである。現在開催中の男子テニスツアー公式戦「バルセロナ・オープン・サバデル銀行」(4月13日~19日/スペイン・バルセロナ/クレーコート/ATP500)で1回戦を突破していた第1シードのカルロス・アルカラス(スペイン/現世界ランキング2位)が、現地16日に予定されていたトマーシュ・マハーチュ(チェコ/同47位)との2回戦を右手首の負傷により試合前に棄権した。
今季は1月の全豪オープンで四大大会7勝目を挙げ、史上最年少となる22歳272日での生涯グランドスラム(全四大大会制覇)も達成するなど最高のスタートを切ったアルカラス。しかし、ここ1カ月弱は厳しい状況が続いている。
3月の「BNPパリバ・オープン」(ATP1000)では準決勝で敗れて大会連覇を逃し、続く「マイアミ・オープン」(ATP1000)ではまさかの3回戦敗退。ディフェンディングチャンピオンとして出場した先日の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000)では決勝に進出したものの、ヤニック・シナー(イタリア)に屈してまたもタイトルを守れず、大会後のランキングでは1位の座を明け渡した。
直後にアルカラスはバルセロナに移動。モンテカルロ準優勝からわずか48時間後の現地14日には今大会初戦に臨み、予選勝者のオットー・ビルタネン(フィンランド/元91位/現130位)に6-4、6-2で勝利した。
しかしこの日はスコア以上に苦戦を強いられ、第1セット終了後にはトレーナーを呼ぶなどフィジカル面の不安も露呈。海外メディア『Tennis 365』などによると、この時アルカラスは右手首から前腕にかけて鋭い痛みを感じ、「フォアハンドを打つ時に違和感がある」とトレーナーに告げたという。試合後のメディア対応でも「正直に言うと、今週は休むべきだったかもしれない」と率直に語っていた。
その後アルカラスは右手首の検査を受け、マハーチュ戦直前に行なうはずだったヒッティング練習をキャンセル。程なくして試合の棄権も発表した。過密日程の中で2022年と23年に連覇した母国の「特別な舞台」に強行出場したが、その代償は大きかった。
棄権後、アルカラスは記者会見場に姿を現し、次のようなコメントを残した。
「検査の結果、予想していたよりも少し深刻なケガだとわかった。今回は自分の身体の声に耳を傾け、今後に影響を及ぼさないよう、自分にとって最善の判断をしなければならないと思った。この結末は非常に残念だけど、チームメイトや医師、トレーナーと共にできる限り早く100%の状態に戻れるようにしたい」
この後も「マドリード・オープン」(4月22日~5月3日/スペイン・マドリード/ATP1000)、「イタリア国際」(5月6日~17日/イタリア・ローマ/ATP1000)、そして「全仏オープン」(5月24日~6月7日/フランス・パリ/四大大会)とビッグトーナメントが続くが、無理は避けたいところだ。最大の目標となる全仏でのタイトル防衛を見据え、今後の判断が注目される。
文●中村光佑
【動画】腕に違和感を感じながらも勝利したアルカラスのバルセロナOP1回戦ハイライト
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