
「今後のサッカー人生を決める」欧州カップ戦で待望初スタメンの20歳日本人DFは“最初で最後のチャンス”で何を掴んだのか【現地発】
冬に大宮アルディージャからAZ(オランダ)に完全移籍したU-21日本代表DF市原吏音が4月16日、UEFAカンファレンスリーグ、シャフタール・ドネツク(ウクライナ)戦で移籍後初スタメンを飾り、フル出場を果たした。だがチームは健闘およばず2対2の引き分けに終わり、対戦成績が1分1敗になったことで、今季のAZは同リーグ敗退が確定。タイムアップの笛が鳴ると、市原はしばらくピッチの上に倒れ込んで動くことができなかった。
「この試合が今シーズンの、今後の自分の立ち位置を左右すると思い、『これが最初で最後のチャンスだ』と思って挑みました。まあまあの出来だったと思いますが、CKから点を取ることもできたはずです(後半、市原のヘディングシュートはミートせず、枠を捉えられなかった)。守りがマンツーマン気味だったので、絶対に相手にやらせないことを意識しましたが、結果的に2失点してしまったので、守備者としては無失点で終えることができず、ちょっと悔しいです」
待ちに待ったスタメンだっただけに「これが最初のチャンス」というコメントは理解できるが、「これが最後のチャンス」というコメントは私の理解が追いつかず、発言の意図を尋ねるとこういう答えが返ってきた。
「冬に移籍したからには試合に出たいです。初めての海外挑戦ですが、リーグ戦ではベンチが続いていました。 自分の力を示す場所はここだと思っていましたし、転がってきたチャンスを掴めるかどうかが今後のサッカー人生を決めると思っていたので、すべてをここに出し切ろうという気持ちで臨みました)
すべてを出し切れたのか?
「後悔はないです。 悔しい気持ちや『あそこで決めていれば』という気持ちもありますが、自分の強みは出せました。 監督ともさっき喋りましたが、良いコミュニケーションが取れていますし、ここからがスタートだと思います」
試合開始10分間は硬さが取れず、「試合の初っ端、対角のミドルパスを蹴ったら力が入りすぎて失敗しました」と振り返る。
「徐々に慣れていって楽しくプレーできました。ロングボールの競り合いに負けることもなかった。硬さが取れてからはよくやれたと思いますが、足を攣りそうになったので、もっと自分はプレーの強度を上げていかないといけない」
シャフタール戦の第2レグではDF毎熊晟矢のような中堅、GKズートのようなベテランもいたが、スタメンのほとんどが19歳から21歳の若者ばかり。普段はヨングAZ(リザーブチーム)の一員としてオランダ2部リーグでプレーしている選手が多く抜擢された。20歳の市原と3バックを組んだデッカー、ファン・ダイルは21歳と20歳のCBだ。第1レグを0対3で落としたこと、中2日でNECとのKNVBカップ決勝を控えていることから、エフテルト監督は先週の時点で大胆なローテーション敢行を決断していた。
「カップ戦の決勝もありますし、早めの段階で監督からこのメンバーで行くんだということを伝えられていました。 自分としてはワールドカップもあるので俄然『やってやろう』という気持ちをずっと持っていました。なかなか難しいですけれど、最後まで信じてやるべきことを続けたいです」
密かに市原はワールドカップに出場する日本代表メンバー入りを狙っているのだ
「サッカー選手であるなら、もちろん狙わなければいけないと思っています」
市原が冒頭語った「これが最初で最後のチャンス」という言葉の真意がこれで分かった。5月15日に日本代表メンバーが発表されることを考えると、市原は今すぐにでもAZのレギュラーとして活躍する必要がある。ワールドカップのメンバー入りを見据えた場合、市原がシャフタール戦を「最後のチャンス」と捉えたのも理解できる。
「このチームでレギュラーを取ることが代表に繋がってくると思うので、この90分に自分はすべてを懸けていました。出来としては及第点。まずまずの出来だったのではないかと思います」
市原と同い歳のMFケース・スミットは3月、オランダ代表にデビューした。そして、この夜の試合は温存される側に回った。
「ケースはオランダ代表だし、トロイ(パロット/CF)はアイルランド代表だし、いいレベルの選手たちと日々切磋琢磨できていると感じます」
悔しさと手応え。さまざまなことが脳裏に去来した市原のAZ先発デビューマッチだった。
取材・文●中田 徹
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