何の因果かわからないが、トップクラスの実力を持ちながら、あと一歩「重賞勝ち」に手が届かない。4月19日に行われるGⅢ・福島牝馬ステークス(福島・芝1800メートル)に、そんな運命のイタズラに翻弄され続けてきた悲運の実力馬が出走する。
GⅠレースを含む重賞戦線で好走を繰り返しながらも、いまだ「2勝馬」という不名誉な地位に留まっている、パラディレーヌ(牝4)である。
パラディレーヌはデビュー2戦目の未勝利戦(京都・芝1800メートル)で初勝利(4馬身差)を挙げると、続くつばき賞(1勝クラス、京都・芝1800メートル)もアッサリと快勝(3馬身差)し、素質と能力の高さを証明した。
ところが、である。その後に臨んだ牝馬重賞戦線では、GⅢ・フラワーC(中山・芝1800メートル)2着(1着馬から0.4秒差)⇒GⅠ・オークス(東京・芝2400メートル)4着(同0.3秒差)⇒GⅠ・秋華賞(京都・芝2000メートル)3着(同0.2秒差)⇒GⅠ・エリザベス女王杯(京都・芝2200メートル)2着(同0.3秒差)と、勝負の神様に見放されたかのような「惜敗」が続いているのだ。
詰めが甘いのか、決め手がないのか。惜敗続きの理由はいろいろあるのだろうが、今回は「都落ち」の屈辱をあえて受け入れてのGⅢ参戦である。
千田調教師が強調する「変わり身」と「福島はどうなのか」
その出走メンバーを見渡すと、能力と実力の両面でパラディレーヌが「一枚も二枚も抜けた存在」であることは一目瞭然。前走のGⅢ・中山牝馬S(3月7日、中山・芝1800メートル)3着(同0.2秒差)を叩いて臨むローテーションは申し分ない。
4月15日に栗東坂路で行われた最終追い切りでは「55秒4-12秒0(4ハロン、馬なり)」と、鋭い伸び脚。管理する千田輝彦調教師(栗東)は、次のように「変わり身」を強調している。
「去年の秋もそうだったように、もともと使って良くなるタイプ。(前走を叩いたことで)馬体に張りが出て、モサッとしたところがなくなりました」
ただ、小回りの福島コースには若干の不安があるようで、
「パラディレーヌは飛びが大きく、後方から勢いをつけて伸びてくる馬ですから。小回りの福島がどうかだけど(能力で)クリアしてほしいね」
おそらく「断然の1番人気」に推されるだろうが、馬券作戦としては「バッサリと切るか」「ガッツリと乗るか」の二者択一を迫られることになる。筆者は「今度こそ!」のロマンに満ちた「後者の可能性」に懸けてみたいと考えている。
はたして悲運の2勝馬は「運命の糸」を手繰り寄せることができるだろうか。
(日高次郎/競馬アナリスト)

