メルセデスのジョージ・ラッセルがポール・トゥ・ウインを飾ったF1シンガポールGP。各車がピットストップを行なう前のレース前半は特に単調な展開となり、上位の順位変動はほどんどなかったレースだったが、この日のドライバー・オブ・ザ・デイには7位のフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)が選出された。
アロンソは10番グリッドスタートからふたつポジションを上げ、中団チームでの最上位となる8番手でフィニッシュ。その後フェラーリのルイス・ハミルトンにペナルティが出て7位となった。確かに殊勲のリザルトと言えるが、彼に得票が集まった理由にはレース中の無線のやり取りが挙げられている。
レース中盤、アロンソのレースエンジニアであるアンドリュー・ヴィザードは残り周回数が34周であることをアロンソに伝えた。しかしアロンソは「毎周言ってくるなら、無線を切るぞ」と冷たく返答した。
これがファンに大ウケ。動画はSNSでも瞬く間に拡散され、コメント欄は「これぞアロンソ。彼はいつだって面白い」「これがあるからF1に残ってほしい。52歳になってもこういう“神無線”を聞かせてくれるなら応援するよ」「アロンソはおもしろ無線界の王様だ」などといった好意的な声で埋め尽くされた。
またその後アロンソは、トラブルを抱えるアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)に抑え込まれた際、ハジャーを「たぶん今日のヒーローだね」と皮肉るなど“舌好調”。オーバーテイクなどの展開が少ないレースにスパイスを与えた。
アロンソはドライバー・オブ・ザ・デイ選出について、ESPNに次のように語った。
「奇跡のようなものだ。いつもは僕たちのレースなんて誰も見ていないからね」
「僕たちが20番手からスタートして6番手になることもあるけど、ドライバー・オブ・ザ・デイに選ばれるのは大体トップからスタートして3位になったドライバーとかなんだ。あんまり意味が分からないよね」
ハミルトンのトラックリミット違反によるタイムペナルティで7位に繰り上がったアロンソだが、彼はブレーキトラブルを抱えるハミルトンがコース内に留まるのに苦労する様を、すぐ後ろで見ていた。
ペナルティが確定する前、アロンソはDAZNに次のように語っていた。
「ブレーキが効かなくても、コースを外れていいわけじゃない。僕たちはブレーキがあってもなくても、コース上に留まらなきゃいけないんだ。彼は少し甘く見られがちだけど、今日は少し厳しく判定してもらいたいね」

