【かっこよくないレオ様が愛おしい!】
本作のポイントは、レオが全然かっこよくないということ。ペルフィディアとの関係もグイグイ来られたから始まっているし、革命家時代からどこかオドオドして、ずっと目が泳いでるし。
そして、ペルフィディアが消えてしまい、ボブはシングルファーザーとして子育てに奮闘。しかし、娘が10代になるころには酒好きドラッグ好きのだらしないダメ親父になってポンコツ度が増していきます。
娘が誘拐されたあとも、かつての革命家仲間に助けてもらおうと電話で連絡を取ると「素性を確認したいからパスワードを」と言われるんです。でも、頭が回らずに大事なパスワードが全然思い出せないんですよ。何度言われても「そんな昔のこと忘れた!」と言って受話器を片手に怒り狂っている姿がもう情けないやらおかしいやら……。
一生懸命なのですが、大切なところでしくじってしまう。でも、そんなレオが愛おしくなっちゃっいました。
【個性的なキャラクターが全員魅力的】
本作が162分と長尺なのに最後まで飽きずに楽しめるのは、登場人物全員のキャラクターが濃厚でずーっとおもしろいから。
ボブやペルフィディアだけでなく、娘ウィラを誘拐するロックジョーもすごかったです。ピチピチTシャツで胸筋アピールをするめちゃくちゃしつこいモンスターって……気持ち悪かったなぁ。
1番かっこよかったのは、ボブを助ける娘の空手の指導者 センセイを演じるベニチオ・デル・トロさん。何が起こるか予測し、仲間を集めて指示を出し、逃げる準備を迅速に整えていく姿は、頼りになる男でした!
最初から最後までものすごいスピードで展開していき、後半はカーチェイスでハラハラさせてくれる最高のエンターテインメント映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』。本当に隙のない最高傑作だと思います。ぜひ映画館で楽しんでほしいです!
執筆:斎藤 香(c)Pouch
Photo:© 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
2025年10月3日(金)より全国ロードショー
監督・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:レオナルド・ディカプリオ、ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロ、レジーナ・ホール、テヤナ・テイラー、チェイス・インフィニティ、ウッド・ハリス、アラナ・ハイム
配給:ワーナー・ブラザース映画

