京都府南丹市の安達結希君(11)の遺体が見つかった事件で、京都府警は18日午前、結希君の自宅から小学校へ向かう途中にある公衆トイレと周辺を現場検証した。死体遺棄容疑で逮捕された養父の安達優季(ゆうき)容疑者(37)は殺害を認める供述をしており、結希君が行方不明になった日に車に乗せて学校へ向かう途中に、このトイレに立ち寄った可能性があるとみている模様だ。
今になって現場検証が始まった公衆トイレ
結希君は3月23日朝、自宅で朝食をとっている姿をほかの家族が目撃している。その後、優季容疑者が、普段はしないのに約10キロ離れた小学校に送り届けるとして結希君を黒い車に乗せて家を出たとみられている。
だが、学校のそばの防犯カメラには黒い車が映っていたのに、結希君は登校しなかった。さらに同日午前中、家にとんぼ返りした優季容疑者は、結希君の実母である妻を乗せて再び学校へ行く。
そして正午前、学校側から妻の携帯電話に「結希君が登校していない」旨の連絡が来た。その直後に自分で110番している。
結局、結希君は黒い車で学校へ向かったところから行方不明になっている。その道すがらにある公衆トイレがこのたび検証場所になった。近くの住民が18日の騒ぎを話す。
「朝8時30分ごろに警察車両が何台もやってきて規制線を張り始めて、マスコミも集まってくる中で警察の人が何か調べてたわ。あのトイレは地元の人はあんまり使わず、観光の人が使うほうが多い。昼間は車の行き来はあるけど夜はほとんど人目につかんと思うわ」
府警は結希君の遺体が4月13日に南丹市内の藪の中で見つかる前に数か所転々と移されたとみており、トイレはそのうちの一か所とみているようだ。
だが失踪当日の午前、学校から結希君を乗せずに車で帰ってきた容疑者は、それから妻と行動を共にし、警察を呼んだりしている。供述通り結希君を殺害したのが事実なら、結希君を乗せて学校へ向かった時か、家に戻って来る途中に車内かトイレで殺害した可能性が浮上する。
「このトイレは実は現場で取材をした多数のメディア関係者がしょっちゅう使っていたところで、これまで現場保存なんか全くされていませんでした。
府警はスマホの電波解析から容疑者の行動を追跡していましたが、今になって現場検証をしたところを見ると、スマホの解析ではトイレに寄ったことがつかめておらず、17日夕から本格化した取り調べでの供述からトイレが捜査対象に上がった可能性があります」(取材記者)
捜索も他人事にみえた養父
スマホの解析により、結希君が行方不明になったころに優季容疑者が「遺体を遺棄する方法」を検索した履歴があったとも報じられた。殺害が事実で、この検索がそれより前にされていれば計画的な犯行の疑いが強まるが、検索の方が後なら場当たり的な凶行の線が濃くなる。
遺体の司法解剖では「3月下旬」としかわかっていない死亡時期の絞り込みは、捜査の重要ポイントになりそうだ。
その優季容疑者は自ら110番したほかにも、結希君の捜索を呼びかけるビラを配って“心配する家族”をアピールし捜査の目が向くのを避けようとした。だがその工作には身が入っていなかったようだ。3月31日に容疑者がビラを持ち込んだ地元洋菓子店の店主の男性がその様子を話す。
「妻が対応して、僕はモニターで見て声も聞いてました。その時、違和感というか変な印象を受けたんですよね。ビラを前に突きだすような感じで『みんな知ってはると思うけど貼っといてもらえますか』みたいに言っただけで、ビラを置いて帰ろうとしたんです。
自分が誰なのかも言わないし、私の妻も様子が変で何か言わなきゃと思って『ビラを貼るのは中がいいですか? 外がいいですか?』って声をかけて引き留めたんです。そしたら『どこでもいいです』って。
お父さんだったらもっと感情的になってもおかしくないですし、その渡し方はないんじゃないって思いました。淡々として表情もボーっとして、とにかく早く店から出たいと思っていることを感じましたね」(店主の男性)

