ゴールデンウィークを前に、旅行予約サイトで「満室」の表示が目立つ中、秘かに問題視されているのが「宿泊予約の転売」だ。一部の利用者が人気ホテルや旅館を早い段階で押さえ、それを他人に高値で譲る、いわば「チケット転売の宿泊版」ともいえる行為。
フリマアプリやSNS上では〈GW◯日 空室あります〉といった投稿が散見される。一見すると便利なサービスに思えるが、ここに大きな落とし穴がある。
都内のIT企業に勤める20代の男性は、SNS経由で予約枠を購入。事前に宿泊情報を受け取り、問題なく泊まれると思っていた。ところが現地では「予約名と宿泊者が一致しない」として、チェックインを拒否されたという。
「お金を払っているのに泊まれない。完全に盲点だった」
男性はそう言って悔やむのだ。
このようなトラブルが起きる背景には、宿泊施設側の規約がある。多くのホテルでは、セキュリティーやトラブル防止の観点から「予約者本人の宿泊」を原則としており、第三者への譲渡や転売を禁止しているケースが少なくない。「楽天トラベル」や「じゃらん」などの
大手予約サイトでも、こうした転売行為は利用規約で制限されていることが多い。
確認メールが提示されて「正規予約」っぽいけど…
それでも転売がなくならない理由はシンプルだ。GWや年末年始といった繁忙期は需要が供給を大きく上回るため、「多少高くても泊まりたい」という心理が働く。そこに目をつけた「転売ヤー」が参入しているのだ。
さらに厄介なのは、表面上は正規予約に見える点。予約確認メールや番号が提示されるケースもあり、購入者が疑いにくい構図になっている。旅行業界関係者が警鐘を鳴らす。
「正規ルート以外での宿泊予約はリスクが高い。特に個人間取引はトラブル時の補償が期待できません」
便利さに潜む、深い落とし穴。人気シーズンだからこそ「うまい話」には慎重になる必要がある。
(旅羽翼)

