ラオスでの児童買春をめぐり、日本人の摘発が相次いでいる。昨年6月には既に在ラオス日本大使館が異例の注意喚起を出していたが、その後も現地で日本人男性が拘束され、日本国内でも関連事件で逮捕者が出るなど、問題の深刻さが浮き彫りとなっている。
そんな状況下、SNSでは過去のブログや動画をもとに個人を特定し、「関与しているのではないか」と情報を拡散する動きが広がっている。いわゆる「加害者探し」だ。
違法行為を示す明確な証拠があるケースならともかく、根拠が曖昧なまま、名前や顔が広まっていく。
この構図、どこか既視感がある。京都・南丹市で起きた、父親による小学男児殺害事件でも、詳細が明らかになる前からSNS上で憶測が先行し、「怪しい人物」や「家庭環境」などについて、真偽不明の情報が飛び交った。全く無関係な人物が疑いの目を向けられるケースもあり、混乱を招くことに。
共通しているのは「情報が足りない不安」をSNSが埋めてしまうことだ。人は真相を知りたくなるあまり、断片的な情報からストーリーを作り、それを共有する。その結果、推測があたかも事実のように広がってしまう。
同じ場所にいただけの人が「関係者」として晒される
ラオスの買春事件でも同様だ。旅行先で一緒に写真に収まっただけの人物や、同じ場所にいただけの人までが「関係者」として扱われ、晒されるケースが出ている。こうした動きは事実の追及というよりも、私的制裁に近い。
もちろん児童搾取は重大な犯罪であり、見過ごしてはならない。しかし本来、罪の有無を判断するのは捜査機関や司法の役割だ。正義感が先走り、無関係の人まで傷つけてしまうのは本末転倒。
いま求められるのは、情報を冷静に見極める姿勢だ。目の前の「それらしい話」をすぐに信じるのではなく、その裏付けを考える。SNS時代だからこそ、よりいっそうの慎重さあるかが問われている。

