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AEWはゼロが1つ違う!? 蝶野正洋が語る“海外マネー”に揺れる日本プロレス界の現実【蝶野正洋の黒の履歴書】

AEWはゼロが1つ違う!? 蝶野正洋が語る“海外マネー”に揺れる日本プロレス界の現実【蝶野正洋の黒の履歴書】

蝶野正洋(C)週刊実話Web

経済的なスケールが違うAEW

シカゴで行われたプロレス・コンベンションに参加してきた。これは引退したレジェンドから現役選手まで、100人近いレスラーを集めてサイン会などのファンミーティングをするイベントで、3日間にわたって行われる盛大なものだった。

イベントには武藤(敬司)さんも参加していて、俺と武藤さんは机を並べてサイン会をしていたんだけど、そこにバフ・バグウェルというnWoのときに一緒にやっていたレスラーが会いに来てくれた。バグは数年前に自動車事故に遭い、片足が義足になってるんだけど、俺たちよりもしっかり歩いていた。武藤さんなんて、バグに体を支えてもらっていたからね。

それにAEWで活躍しているオカダ・カズチカ選手も来場していて、イベント後にオカダくんと武藤さん、今回のブッキングをしてくれたサニー・オノオさんと俺の4人で食事をした。

俺が「結構久しぶりだよね」とオカダくんに挨拶したら、「いや、今年の1.4東京ドームに出場したときに解説してもらったじゃないですか」と言われて、そういえばそうだった(笑)。久しぶりに遠い親戚の甥っ子に会ったみたいな感覚になるね。

そこに武藤さんもいるから、話は自然とギャラの話になるんだけど(笑)、オカダくんは直接的には言わなくても、新日本プロレスにいた頃よりも好待遇なのが伝わってきた。AEWはゼロが1個違う契約金を出してるはずだから、もはや日本のプロレス団体では太刀打ちできない。

AEWのオーナーはクルマのバンパーの製造・販売で財を成した実業家で、NFLやプレミアリーグのチームも持っている。その感覚でレスラーにもカネを出してるから、スケールが違うよ。AEWのライバルは世界最大のプロレス団体であるWWEで、そこを追い越そうという勢いも感じる。

蝶野正洋の黒の履歴書】アーカイブ

WWEに忍び寄る不穏な影

一方でWWEには、暗雲が立ち込めている。4月に年間最大イベント「レッスルマニア」を控えているが、そのチケットがあまり売れてないらしい。いつもはレッスルマニアに便乗して、近くの会場でさまざまな興行やイベントが行われるんだけど、それも軒並み中止になっている。俺もラスベガスで行われるコンベンションのオファーがあったんだけど、イベント自体がキャンセルになってしまった。

あと、WWEは次世代のスターが育っていないという問題がある。それは新日本プロレスも同じで、ファン以外の世間に届くような選手がいない。そういう意味では今、新日本で最も知名度があるウルフアロン選手は、大切に育てたいはず。今度ABEMAで「ウルフアロンから3カウント取ったら1000万円」という企画をやるみたいで、そういう売り出し方もアリだと思う。

ただ、有名になったらなったで、また海外団体から一本釣りされてしまうかもしれないよ。オリンピックの金メダリストという肩書は、世界でも通用するだろうからね。

カネで対抗できないなら、もっと新日本プロレスならではの魅力を高め、所属意識を強くするべきなんだけど、今の新日は、それもあまりうまくいってないようだ。体を張って頑張っている選手に対するケアが不十分だし、団体のレガシーを大事にする姿勢もない。

ここを高めていけば、巨額の契約金に匹敵するくらいの強みになるんだけどね。

蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)
1963年シアトル生まれ。84年に新日本プロレス入団。「nWo JAPAN」を率いるなど〝黒のカリスマ〟として活躍し、2010年に退団。現在はプロレス関係の他に、テレビやイベントに出演するタレント活動、「救急救命」「地域防災」などの啓発活動にも力を入れる。
配信元: 週刊実話WEB

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