開幕前は独走Vもありうるとされていた阪神が、どうもおかしい。DeNA戦(4月21日・横浜)では投手陣が16失点の大乱調で6-16と大敗した。16失点以上は7年ぶり(2019年7月28日・巨人戦)の屈辱だ。
ホーム甲子園球場でなかったことは幸いだが、藤川球児監督は、
「とにかく切り替えることが非常に重要になりますね。はい、お疲れ様でした」
淡々とそうコメントするのみ。関西メディア関係者がボヤくには、
「とにかく球児の話がつまらない。原稿にも口を出してくるんや」
昨年の投手陣との違いは、50試合連続無失点記録を樹立した「ミスターゼロ」石井大智が2月のキヤンプ中に左アキレス腱を損傷し、今季絶望となったことに尽きる。
「(ケガは)突然、きますから」(藤川監督)
そしてもうひとつは、バッテリー担当コーチ陣の交代だ。昨年まで投手陣を統括していた金村暁投手コーチは、契約満了で退団。野村克則バッテリーコーチは2軍へ配置転換となった。現在は日高剛バッテリーコーチが担当している。
昨年の日本シリーズ第2戦、デュプランティエが先発登板して大炎上した。これに異議を唱えたといわれているのが金村前コーチで、
「球団内では『新しい風を入れる』という名目でのコーチ交代となりました。野村バッテリーコーチは藤川監督より年上。父である故・野村克也監督の専属広報のキャリアがある嶌村聡球団本部長の後押しで、2021年から阪神のコーチになっていました」(阪神担当記者)
昨年は見られなかったバッテリー陣のギクシャクぶり
そんな裏事情もあるのだが、阪神は「勝って当然、負ければボロクソ」というのが専売特許の人気球団だ。藤川監督は、
「2025年に作ったチームを壊して、2026年に向かっていく」
と宣言。3年契約の2年目となる今季は、球団史上初の連覇がミッションだ。藤川監督の招聘に尽力した粟井一夫球団社長は、
「チームの組織力を高めてくれている。イメージしていた以上の監督像がある」
これまでの阪神のお家芸だった、監督とフロント陣の衝突こそ、今はまだない。それでもミスターゼロの離脱が大きな傷となり、バッテリー陣のギクシャクぶりは昨年の独走Vを成し遂げたチームにはなかった姿だ。
「こういうゲームが非常に多いのが、今シーズンの特徴。まだ4月ですから…」
藤川監督は余裕の表情を見せるが、多くの問題が燻っている状況では、独走Vは夢のまた夢になりそうだ。
(小田龍司)

