
この画像はハッブル宇宙望遠鏡がとらえたもので、地球から5000光年の距離にある星形成領域である三裂星雲(M20)のごく一部が映っています。画像は1990年4月24日に打ち上げられたハッブル望遠鏡の36周年を記念して公開されたものです。

こちらの画像は、ベラ・C・ルービン天文台でとらえられた三裂星雲の画像(左)に、ハッブル宇宙望遠鏡の画像の範囲を白枠で示したものです。(参考)史上最大のデジタルカメラでとらえた干潟星雲と三裂星雲 ルービン天文台が初画像を公開
ハッブル望遠鏡の画像には、まるでウミウシのような形をしたガスと塵の雲が映っています。その「ウミウシ」の頭頂部付近から、左上へ角(つの)のようなものが伸びています。これはハービッグ・ハロー天体HH399の一部で、雲の内部に隠れた若い原始星から噴き出したプラズマのジェットが見えているものです。ジェットの右側に、細長い三角形のような形をした突起が見えますが、その先端部には別の星が隠れています。
「ウミウシ」の頭部の左側には、塵からなる柱状の構造が映っています。柱を構成するガスと塵のほとんどは吹き飛ばされてしまい、密度の高い部分だけが残っています。
画像の右端付近の暗い部分は、塵が最も密集している領域です。そこにみられる星々は星雲に属するものではなく、より私たちに近いところにある天体かもしれません。
こちらの映像では、1997年と2026年にハッブル望遠鏡が撮影した2枚の画像が順に表示されます。1997年の画像はWFPC2(広視野惑星カメラ2)、2026年の画像はWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたものです。29年の間に、HH399のジェットが伸びていることが確認できます。また画面右下のところにある赤〜オレンジ色のすじが伸びていたり、星が固有運動によってわずかに移動していたりすることもわかります。
過去の周年記念画像
ここからは、これまで公開されたハッブル宇宙望遠鏡の周年記念画像をいくつか紹介しましょう。

こちらは昨年、打ち上げ35周年記念で公開された画像の1枚です。蝶のような形をした惑星状星雲NGC 2899が映っています。 →「ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた蝶のような惑星状星雲 打ち上げ35周年記念画像(2)」

2018年に28周年記念で公開された、干潟星雲(M8)の中心部の画像。 →「ハッブルがとらえた干潟星雲の中心部 〜 ハッブル打ち上げ28周年記念画像」

2013年に23周年記念として公開された画像。オリオン座の馬頭星雲を赤外線でとらえたものです。 →「ハッブル宇宙望遠鏡が赤外線でみた馬頭星雲」

打ち上げ21周年を記念して2011年に公開された画像。相互作用銀河Arp 273が映っています。銀河が変形してバラの花とその茎のようにも見えます。 →「ハッブルがとらえたバラのような銀河のペア 〜 30 Years, 30 Images #21(2011年)」
(参考)「ハッブル周年記念画像」関連記事一覧
(参照)ESA/Hubble、NASA

