フェラーリのルイス・ハミルトンは、F1シンガポールGPの決勝レースで8位。フィニッシュ時には7番手だったものの、レース終盤にブレーキトラブルに見舞われ、それでもチェッカーまでマシンを運ぶためにコース外走行を繰り返したことで5秒加算ペナルティを科され、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソに7位を奪われてしまった格好だ。
このレースについてハミルトンは、厳しい部分が多かったが、ポジティブな面もあったと振り返った。
ハミルトンは6番グリッドからスタート。1周目に7番手にポジションを落とすと、その後は順位を上げられない展開となった。ここシンガポールは抜けないのだ。
各車がタイヤ交換義務を消化しても、そのポジションは変わらず。しかしハミルトンは上位勢に食らいついていたことで、後続との差は大きく開いていた。そのため、ポジションを落とすことなく2度目のピットストップを行なうとハイペースで飛ばし、チームメイトのシャルル・ルクレールの前に立つと、今度はメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリとの差を縮めにかかった。
しかしその頃からブレーキトラブルに見舞われ、一気にペースダウン。61周目のラップタイムは、それまでよりも30秒以上遅かった。最終ラップにはアロンソに迫られたものの、なんとかこれを抑え切って7番手フィニッシュ。だがこの際、ブレーキが効かないマシンをチェッカーフラッグまで運ぶためコース外走行を繰り返しており、5秒加算ペナルティを受けた。
「ここ数日は厳しい日々だった。でも、間違いなくポジティブな面もあったよ」
グランプリ直前に愛犬ロスコーを失ったばかりのハミルトンは、レース後にそう語った。
「週末を通じてマシンのフィーリングは良く、レース終盤の3分の1は、力強い走りを見せることができた。ソフトタイヤを履いたおかげでペースが上がり、上位との差を縮めることができた」
「でも残念ながらブレーキのトラブルに見舞われてしまい、オーバーテイクすることができなかった。もっと多くのポイントを獲得するチャンスを逃してしまったんだ」
「今は次のオースティンに向けて持てる力を最大限に発揮し、クリーンな走りでできるだけ多くのポイントを獲得することに集中する」
チーム代表のフレデリック・バスールは、ブレーキトラブルを抱えた後はペースをかなり落として走ったため、安全性の面では問題なかったと語った。
「1周目ではなく、2周目か3周目くらいから、問題に直面していた。レースでは、リフト・アンド・コースト(早めにアクセルを緩め、惰性でコーナーに進入するドライビング方法)を多用しなければいけなかった。毎周のようにブレーキングポイントを調整しなければいけなかったから、楽なドライブではなかっただろう」
バスール代表はそう語った。
「シンガポールでは、集団の中を走るとブレーキに厳しくなることは周知の事実だ。でも、当初は予想外のことだった」
「ペースを調整したから、安全面では問題ない。ルイスは最終ラップで、猛烈にプッシュしていたわけではない。逆に彼は30秒遅く走ったんだ。安全であることは当然だが、それ自体が目標なわけではないのだ」

