カバーオールは、自身の服を汚れから守るために生まれた生粋のワークウエアだ。アメリカでは1920〜30年代にかけて、様々なメーカーが台頭し、その機能性やデザイン性を競い合い、大量生産品にはないこだわりの意匠が生まれた。そんなカバーオールをファッションとしてだけでなく、リアルに仕事でも使うワークウエアラバーたちをピックアップして紹介する。今回は「ジェラード」の後藤洋平さんにお話を伺った。
20年以上の経験が放つ究極の一着
昨年にフラッグシップストアをリニューアルオープンするなど、さらに勢いが増したジェラード。オーナーであり、ディレクターを務める後藤さんが愛用するカバーオールは、肝入りの企画であるラストリゾートシリーズからリリースされている491J。後藤さんが所有する40年代のリー91Jを、現代の技術で生地から解析し、予算や構想期間を度外視した渾身作でもある
「このジャケットはジェラードの前身となる古着屋『スプラウト』をオープンさせる前に手に入れたリーのハウスマークタグの91Jがベースになっています。この商品を作ろうと思った時が、弊社の20周年という節目であり、それなら自身のルーツとなる大事なものを徹底的に再現してみようと思ったんです。
生地を解析することはもちろんのこと、首振りボタンなどのパーツ類もすべてオリジナルで再現。さらに所有している個体は、ポケットすべてが底を余らせながら、真っ直ぐ縫っていたので、当時の縫製職人の癖もしっかりと反映しています。ようやくエイジングしてきましたが、狙い通りの表情で満足しています」

「JELADO」オーナー・後藤洋平さん|1977年生まれ。名古屋出身。ヴィンテージショップでキャリアを積み、2004年に前身となる『スプラウト』を高円寺にオープン。洋服作りの傍ら、ラップと筋トレをライフワークとし、心身ともに成長中。

リーらしいポケットの形も完全に再現。さらにこの個体はポケットの先端部分を余らせ、あえて真っ直ぐ縫う仕様だったため、そこもうまく再現したという。

いわゆる首振りボタンと呼ばれる仕様もブランドロゴ入りのオリジナルボタンで再現している。金型から作っているため、これだけでとんでもない予算が発生。
ブランド:JELADO
生産国:Japan
素材:10.5oz Selvage Denim
(出典/「Lightning 2026年4月号 Vol.384」)