カバーオールは、自身の服を汚れから守るために生まれた生粋のワークウエアだ。アメリカでは1920〜30年代にかけて、様々なメーカーが台頭し、その機能性やデザイン性を競い合い、大量生産品にはないこだわりの意匠が生まれた。そんなカバーオールをファッションとしてだけでなく、リアルに仕事でも使うワークウエアラバーたちをピックアップして紹介する。今回は「スタンプタウン渋谷」でリクラフターとして働く段ノ上さんにお話を伺った。
愛用カバーオールを纏い作業場に立つ日常
ブーツ専門店として多くのファンが足繁く通うスタンプタウン渋谷にてリクラフターとして活躍する段ノ上輝さん。本来はエプロン着用が必須だが、愛用のカバーオールを着用したまま作業場に立ってもらった。美しいフェイドブルーを見せるカバーオールは7〜8年前、古着店で手に入れたお気に入りで、当初はいまよりも濃かった色も、日々の作業や洗濯を繰り返すうちに柔らかくエイジング。シミやダメージ、パッカリングなども含めて「作業着らしさが出てかっこよく愛着も湧く」と語る。
フランス製のワークジャケットらしく、コットンツイルの軽やかな生地感と、ワークウエア然としたタイト過ぎないサイズが気に入っているという。メガネを掛けているためプルオーバータイプの服は苦手で、前開きのカバーオールはシャツ代わりにもなり、また3シーズン着られるため、とても重宝しているという。
「汚れても気にせず着られるのが良いんです。ガンガン洗ってまた着る、その繰り返しです」。
ミリタリーパンツやデニムにも合わせやすく、流行に関係なく着られる汎用性の高さも魅力だと話す。そのほか複数着のカバーオールを所有し、日々のコーディネイトを楽しんでいるという。仕事着でありながら装いとしても成立する一着は、段ノ上さんの日常に静かに馴染んでいる。

「STUMPTOWN」リクラフター・段ノ上 輝さん|スタンプタウン渋谷にてリクラフターとして活躍。数多くのブーツのリペアを手掛け、豊富な経験と確かな知識で厚い信頼を集めるクラフトマン。ブーツはもちろんヴィンテージワークウエアも大好物。趣味はランニング。

フロント3つのパッチポケットが付けられた1960年代前後のフレンチワークジャケット。左胸ポケットには「DELATTRE LEVIVIER」の赤の刺繍が施され、ワンポイントとなっている。

ジャケットの裏に付けられたブランドタグ。巡礼者を意味する「LE PÈLERIN」と名付けられたブランドは、長く使い、各地を歩き続ける労働者。丈夫で働く人のための服の意味。
ブランド:LE PÈLERIN
生産国:France
素材:Cotton Twill
(出典/「Lightning 2026年4月号 Vol.384」)