俺のほうが適任のはずだった
入社してから3年間、英語の勉強を続けてきました。オンライン英会話、資格試験、海外ニュースの精読。すべては海外案件を任されるための準備でした。だから上司が彼女を指名したと聞いたとき、思わず「自分のほうが適任だと思いますが」と直談判したのです。
上司は少し間を置いて「製品のことを一番理解している人に任せたい」と答えました。つまり英語力だけでは足りないと言われたのです。頭では理解できても、感情がついていきませんでした。
口をついて出た言葉
同僚に愚痴を言うつもりはなかったのです。でも休憩室で海外案件の話題になったとき、つい口が滑りました。
「英語もできないのに海外担当?」
言った直後、胃のあたりがきゅっと縮みました。けれど周囲が笑ったことで、自分の苛立ちが正当化されたような気になった。彼女がドアの向こうにいたことには、そのときは気づいていませんでした。あとから知ったとき、顔が熱くなりました。でも謝ることもできず、何もなかったふりをするしかなかったのです。
