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iPhoneは24時間稼働の精密検査室へ、Apple Watchとスマートリングで変わる心臓と睡眠の健康管理

iPhoneは24時間稼働の精密検査室へ、Apple Watchとスマートリングで変わる心臓と睡眠の健康管理

●睡眠の質を科学する「睡眠時無呼吸」


 もう一つは睡眠です。睡眠トラッキングはもはや「何時間寝たか」を確認するだけのフェーズを終えました。今は、「睡眠の中に潜むリスクを特定し、取り除く」という医学的アプローチのフェーズに移行しています。寝具で睡眠の質を上げているのかも数値化できるのです。
 日本人の多くが潜在的に抱えているといわれながら、検査のハードルの高さから放置されてきた「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」。Apple Watch Series 9以降で実装されたこの検知機能は、まさに夢のようです。昔、子どもたちに「お父さんのいびきがうるさい」っていわれて無呼吸を心配しましたが、今は気にせずぐっすり寝ています。
 当然、睡眠の質も数値化されているので、「次の日早めに寝る」「寝る前に動画を見ない」「心落ち着く音楽を聴いて寝る」などを実践しています。加速度センサーが睡眠中の微細な手首の動きを捉え、呼吸パターンの中断(呼吸の乱れ)を継続的に分析、「しっかり寝ているはずなのに、日中異常に眠い」「集中力が続かない」といった悩み。その正体が、実は一晩に何十回も呼吸が止まっていることにあると気づけるきっかけになるみたいです。
 iOS 19やwatchOS 12世代で統合されたバイタルアプリは、私の朝のルーティンに欠かせないものとなりました。 起床直後、ヘルスケアアプリを開くと、昨夜の心拍数、呼吸数、手首体温、血中酸素ウェルネスが「通常範囲」に収まっているかがひと目で分かります。
 もし数値が「通常範囲」を外れて赤く表示されていれば、それは体からのサインです。「今日は少し風邪気味かもしれない」「昨日のトレーニングの疲れが残っている」といった客観的なデータに基づき、その日の仕事の強度を調整したり、激しい運動を控えたりといった、「予防的なスケジュール管理」が可能になるのです。
 さらに今スマートリングも普及し始めているようです。正直、私もそろそろ購入しようかと思っています。Oura Ring、Galaxy Ring、Re・De Ringといった「指輪型デバイス」です。今になってリングがなぜ支持されるのでしょうか。最大の理由は時計タイプの「装着感」だと思います。
 私自身、ベルトを睡眠時に変えたり、今ではあまり装着感のしないベルトをしたりしています。いくら機能が優れていても、「腕時計をつけて寝るのは違和感がある」「重い」と感じる層は一定数いらっしゃると思います。リング型は指一本に収まり、24時間着けていてもストレスがほとんどありません。
 最新のスマートリングは、皮膚が薄い指の付け根から非常に精度の高い血流データを読み取ります。これにより、睡眠の深さ(レム睡眠、深い睡眠)の分析において、時として腕時計型を凌駕する精度を見せることがあります。これらのデータも、Appleヘルスケアに統合されることで、時計&指輪の二刀流使用なんていいかもしれません。
 さらに素晴らしいと感じている機能が、「ヘルスケア共有」です。離れて暮らす高齢の両親や、大切な家族の健康状態を、自分のiPhoneで見守ることができるので、会社の若手には敬老の日や父の日、母の日にApple Watchのプレゼントをおすすめしています。
 もちろん、全てのデータを共有する必要はありません。例えば「不規則な心拍が検知された時」や「転倒を検知した時」だけ通知が届くように設定できるので「最近、血圧はどう?」と電話で聞くよりも、静かに、しかし確実に守られているという安心感。プライバシーと安全のバランスを保ちつつ、テクノロジーで家族の絆を支える。これこそが、デジタル・ヘルスケアが目指すべき一つの完成形ではないでしょうか。
 「心臓」と「睡眠」。この二つの、生命の根幹に関わる領域をテクノロジーで可視化することは、単なる自己満足ではありません。それは、数年後、数十年後の自分に対する、最も確実な「先行投資」です。私がここで、特に同世代や、人生の後半戦を迎えた皆様に力を込めて伝えたいことがあります。
 「60歳を過ぎたら、スマートフォンとヘルスケアアプリ、そしてウェアラブルデバイスは、もはや必需品である」ということです。さらにいえば、それらを単に所有するだけでなく、生成AIなどを活用して自分の体を「数値化」し、客観的に捉えてみてください。数値を改善するための小さな工夫が、日々のパフォーマンスを上げ、結果として「より高いパフォーマンスを出せる自分」へと進化させてくれます。
 Apple Watchで心臓を守り、スマートリングで眠りを深く理解する。そして、全てのデータをiPhoneで統合管理する。デバイスを使いこなすことで、私たちは「病気になってから治す」という受け身の姿勢から、「異常の芽を摘み取って健康を維持する」という、主体的で新しい生き方を手に入れることができます。まずは、iPhoneのヘルスケアアプリを開いてみてください。そして、あなたの心臓が刻むリズム、眠りの中に響く呼吸の音に耳を傾けてみてください。
 今回はこれまで……かたじけない。(崖っぷちのドミノ)
■Profile
崖っぷちのドミノ
1960年3月生まれ。現在64歳で会社員人生はあとわずかの管理職。部下の多くは女子で娘が大勢いる感じ。中学、高校とブラスバンドでパーカッション担当。その時代の当たり前の流れで同級生とバンド結成し、大学、社会人1年生ぐらいまで活動したドラマー。就職は独立系ソフト会社に入社。その後、気づいたら汎用機の開発技術者を13年間経験、その後、今の会社に入社。
配信元: BCN+R

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