
この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)のSPHEREx衛星が、天の川銀河で最も活発な星形成領域の一つ「はくちょう座X」にある水の氷(青色)とPAH(多環芳香族炭化水素、オレンジ色)をとらえたものです。
SPHERExの主な目的の一つは、さまざまな種類の星間氷の化学的特徴をマッピングすることです。その氷には水や二酸化炭素、一酸化炭素などの分子が含まれています。宇宙の水の大部分が形成・貯蔵されている場所は、微細な塵の表面に付着した氷だとみられています。地球の海の水や、太陽系のその他の天体にある氷は、このような領域に由来すると考えられています。
SPHERExは2025年3月に打ち上げられた衛星で、赤外線の102の波長で全天を観測しています。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡も、さまざまな場所で水や二酸化炭素などの氷を検出しています。ただウェッブ望遠鏡は視野が狭く、観測できるのは非常に限られた範囲になります。一方、SPHERExは、広範囲にわたりそれらの分子を検出するよう設計されています。全天マップを4回作成することになっており、2025年末までにすでに最初の全天マップ作成を完了しています。(参考)「NASAのSPHEREx衛星がとらえた赤外線全天画像」
水の氷の領域は、塵の多い領域と重なる

こちらはSPHERExが、冒頭の画像とは別の3つの波長でとらえた画像を合成したものです。こちらの画像では、塵の多い領域が暗く見えています。冒頭の画像と比べてみると、冒頭の画像の青色の領域と、この画像の暗い領域が重なっていることがわかります。
SPHERExは、さまざまな種類の氷が高密度に存在する領域を明らかにしました。それらの氷は、塵のみであれば透過するはずの特定の波長の赤外線を吸収します。それを測定することで氷の存在がわかります。そこでは、塵が盾の役割をすることで、生まれたばかりの星が放つ強烈な紫外線から氷を守っています。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech/IPAC/Hora et al.
(参照)NASA

