現地時間4月25日に行なわれたスコティッシュ・プレミアシップのチャンピオンシップ・グループ第34節で、セルティックはフォルカークを3-1で下して3連勝を飾った。そして、最高殊勲者となったのは全ゴールに絡んだ前田大然だった。
6日前のスコティッシュ・カップ準決勝セント・ミレン戦で1ゴール・1アシストを記録して決勝進出に貢献した背番号38は、このホームゲームでも躍動。30分に敵陣で相手DFにプレッシングを仕掛けてボールをカットすると、GKの位置を見定めて遠目から的確なシュートを放ち、先制ゴールをチームにもたらす。44分にはスルーパスでキーラン・ティアニーの追加点をお膳立て、さらに83分にはセバスティアン・トゥネクティのクロスにファーサイドから反応し、中央に入ってのダイレクトシュートをゴールに突き刺した。
「個人としてもチームとしても、まだまだ成長の余地があります。毎試合、ベストを尽くします」と試合後に語った前田の秀逸な働きぶりに、マーティン・オニール監督からは「前田の個人的なパフォーマンスは素晴らしかったと思う。彼は何もないところからゴールを生み出したが、それは先週もやっていたことだ。3-1としたゴールは見事だったが、それ以上に試合全体を通してのパフォーマンスが素晴らしかった。『マン・オブ・ザ・マッチ』に選ばれたのも納得で、まるで3試合分の活躍をしたようだ」と賛辞を贈られている。
クラブの公式サイトは、「スコティッシュ杯準決勝でも開始1分で相手GKにプレッシャーをかけて得点を生み出した前田が、この日も同様に執拗なプレスを見せた」と、先制ゴールが生まれた経緯を伝え、チームの2点目でも「前田が重要な役割を果たし、ペナルティーエリア付近で巧みに反転してスペースを作ると、ティアニーへスルーパスを供給した」、そして自身による3点目では「落ち着いたフィニッシュで再びチームに2点のリードをもたらした」と、それぞれ綴った。
現地メディアの報道では、英国の日刊紙『The Guardian』が「前田は先週末、セルティックをスコティッシュ杯決勝へ導いたが、フォルカーク戦でも、その献身的な働きの価値を改めて示した」と記し、オニール監督の「彼のプレスは驚異的だ。85分になっても相手にプレッシャーをかけ続ける。素晴らしかったと思う」とのコメントを紹介している。
同メディアはまた、昨季は33ゴールを挙げ、スコットランド年間最優秀選手にも輝いた前田が今季は苦しんでいた事実にも言及し、昨夏のヴォルフスブルク移籍が成立しなかった影響が、彼の心理面に及んだ可能性に言及しているが、この記事でも指揮官は「彼は力強く復活してきた。ここ数週間で受けているあらゆる称賛は、彼に相応しいものだ」と前田を称賛している。 スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』では、チームメイトのアリスター・ジョンストンが「前田は絶好調だ。必要なのはゴール、それだけだ。彼は我々の象徴的存在。ここ数週間で見せてきたように、あらゆる形から得点を決めてくれるのは、我々にとって非常に大きい。もし彼がこの調子を維持し、昨季のレベルまで引き上げられれば、残り1か月の戦いに向けてかなり良い感触が持てると思う」と語り、今後のさらなる貢献にも期待を寄せている。
英国公共放送『BBC』は、「オニール監督は、前線に決定力を欠く状況に陥っているチームの“ストライカー問題”の解決策を見出すのに苦しんできたが、この日の前田の貢献はタイミング的にも大きい。来月にはスコティッシュ杯決勝が控え、リーグ戦では得失点差で上回るハーツやレンジャーズとの優勝争いを繰り広げているからだ」と、この日本人選手の“復活”がセルティックにとって待ち望まれたものであったと強調し、以下のように彼のプレーを評した。
「フォルカーク戦で、前田はチーム最多の5本のシュートを放ち、そのうち3本を枠内に飛ばし、得点期待値は0.75を記録するなど、終始フォルカークにとって厄介な存在だった。セルティックの最初の2ゴールはいずれも彼の粘り強さとプレッシングから生まれた。そして彼の2点目は、ストライカーらしい本能的なプレーであり、マーカーから一度離れてボックス内で回り込み、鋭いクロスを決め切った」
スコットランドの日刊紙『THE SCOTTISH Sun』は、「前田は2試合連続で相手を圧倒し、王者チームに30分で重要なリードをもたらした」「前田のボールを持った相手選手への執拗なチェイシングは、試合を通して見事だった。まさにワールドクラスだ」と、レポート記事において賛辞を並べている。
セルティックの地元グラスゴーの総合サイト『Glasgow World』は、10点満点の採点でチーム単独最高の「9」を日本人アタッカーに与え、寸評も「前半にはその無尽蔵の粘り強さが実を結び、得点とアシストを記録し、後半にはさらにもう1ゴールを追加。フォルカークの守備陣は、セルティックの『デュラセル・バニー』とも言うべき彼と、もう対戦しなくて済む状況に安堵しているだろう。理想的なタイミングで本来の調子を取り戻しているように見える」と終始ポジティブな内容となった。
そして日刊紙『Daily Record』は、フォルカーク戦の「5つのポイント」のひとつに前田の活躍を挙げ、「この試合での先制点――今季10点目――は極めて重要であり、同時にこの“走り続ける男”らしい典型的なゴールでもあった。そしてその同じ粘り強さが、ティアニーの2点目も生み出した。オニール監督の信頼に応える形で試合を決定づけるゴールも決めた彼は、終盤にはハットトリックの絶好機を逃したものの、その存在感は際立っていた」と、その90分間を振り返っている。
構成●THE DIGEST編集部
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