その姿を見て、思わず笑みがこぼれた。
2026年4月28日、ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケートペアで金メダルを獲得した“りくりゅう”こと三浦璃来/木原龍一ペアが開いた現役引退会見。
その冒頭、木原がいきなり号泣。三浦に「泣かないで(笑)」と声をかけられる場面があった。
なんとも美しい涙──。現役生活の重圧から解き放たれた安堵と、すべてをやり切った充実感が入り混じった涙のようにも見えた。そんな木原の姿に、自然と頬が緩んだのだ。
木原と涙は、切っても切り離せないものなのだろう。実際、彼は「五輪の舞台をワンフレーズで表現すると何か」と尋ねられ、「涙」と答えている。
「初めて出場したソチ五輪で世界の壁を痛感して、試合後にオリンピック・パークで母から「もう帰ってきてもいいよ」と言われましたが、僕は頑固だったので大丈夫と。その時も泣いていましたが。思い出してみると、北京五輪、今回のミラノ・コルティナ五輪でも泣いていましたね(笑)」
ミラノ・コルティナ五輪でのショートプログラムでリフトを失敗すると、競技後に木原はその場で泣き崩れた。しかし、その悔し涙は力へと変わり、“伝説のフリー”につながっていく。
涙なしでは語れない木原龍一の、いや、“りくりゅう”の現役生活。その引退会見の冒頭から涙を見せるあたり、2人らしい光景だった。
やはり、涙なしでは語れない。“りくりゅう”の演技に心を打たれ、自然と、しかも何度も涙を流した方は決して少なくないはずだ。
文●白鳥和洋(THE DIGEST編集部)
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