
第1作となるアニメ『機動戦士ガンダムDVD-BOX』(バンダイビジュアル)
【画像】「え、知らなかった」 これが宇宙世紀の「谷間」を埋めるガンダム作品です(5枚)
作中の時系列と同じ順番で制作されていない?
長きにわたって作品が生み出されてきた「ガンダム」シリーズは、人によってはシリーズのつながりがわかりづらいという声もあります。大まかな流れを追ってみましょう。
ガンダムは「宇宙世紀」シリーズと、そうでないものとに大きく分けられます。このうち宇宙世紀以外の作品のほとんどは、作品単体で物語が完結しています。例を挙げると「ガンダムSEED」シリーズは何作品にも分けられていますが、ほぼ同じ時代の作品ですから初心者でもあまり混乱することはないでしょう。
問題、は「宇宙世紀」の時間軸にあるガンダム作品です。宇宙世紀はアニメだけでも『機動戦士ガンダム』のU.C.0079から、『機動戦士Vガンダム』のU.C.0153までと長期にわたり、作品をまたいで登場する人物も限られているので、少々わかりづらいかもしれません。
さらに同じ宇宙世紀でも、後述する「正史」とは設定の異なるパラレル作品もあります。こうしたことから、ガンダム初心者には順番がわかりづらいとなるのでしょう。では、宇宙世紀の時間軸に添って作品を並べてみると、どのような順番になるでしょうか。
宇宙世紀で最初に起こった大きな事件が、U.C.0079の「一年戦争」でした。この時代を描いたアニメが、最初の『機動戦士ガンダム』そして『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』などです。
この次がU.C.0083を描いた『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』でした。これらの作品は、実際に制作された時期と、宇宙世紀における時期が違うのでわかりづらいかもしれません。
U.C.0087の『機動戦士Ζガンダム』、U.C.0088の『機動戦士ガンダムΖΖ』、U.C.0093の『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』は、ほぼ同じスタッフが時系列通りに制作しているので、続けて視聴するには最適な作品群でしょう。
この次に続くのが、U.C.0096の『機動戦士ガンダムUC』、同じく『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』、U.C.0097の『機動戦士ガンダムNT』です。そしてU.C.0104の『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』くらいまでが、設定的な結びつきの強い作品でした。
ここから一気に時間が飛んで、U.C.0123の『機動戦士ガンダムF91』、U.C.0153の『Vガンダム』は、舞台は宇宙世紀ですが、前後の歴史的つながりがほとんどなく、単品で完結している作品といえるかもしれません。

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宇宙世紀でも特殊な立ち位置? パラレル作品
問題なのは、「宇宙世紀」のなかでも「パラレル世界」といわれる作品群です。これらは基本的に宇宙世紀の「正史」と異なるので、混同すると設定に軋轢(あつれき)が生じます。もちろん、正史とは違った魅力にあふれた作品たちです。これらパラレル作品のほとんどが、「一年戦争」前後を舞台としています。
マンガとして発表され、後にアニメ化された『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』は、その最たるものかもしれません。開始当初は設定面の違いはあれどカバーできる範囲でしたが、物語が進むにつれて独自の展開をしました。
この『ORIGIN』の登場により、公式設定や宇宙世紀年表と異なる作品を「パラレル宇宙世紀」、または「アナザー宇宙世紀」と呼称するようになります。後追い設定で詰め込まれた宇宙世紀ガンダムの、新たな方向性を模索した結果なのでしょう。
これをうまく生かしたのが、同じくマンガからスタートしてアニメ化された『機動戦士ガンダム サンダーボルト』でした。当初は宇宙世紀設定になぞらえた作品だったのが、徐々に独自設定で作品の幅を広げたという点で、『ORIGIN』と似た展開の作品です。
逆に、宇宙世紀の設定を根底から覆した作品が『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』でした。本来の歴史を改変した物語が作品の間口を広げ、新たなファン層を獲得したのは記憶に新しいところです。
最初の『ガンダム』が放送されて半世紀に近い年月が経ちました。これからもシリーズ作品は増え続けることでしょうが、過去の制約に縛られない作品制作は、今後もガンダムシリーズ発展の一翼を担っていくことになるでしょう。
