【LiLiCoオススメ肉食シネマ 第329回】『ラプソディ・ラプソディ』
少し天然で絶対に怒らない男・夏野幹夫(高橋一生)は、パスポート更新のため戸籍謄本を取得するが、そこに全く身に覚えのない「続柄:妻」の記載を見て驚く。「繁子」という女性が勝手に籍を入れていたことを知った幹夫は、正体不明の妻を探し始める。やがて、街角の小さな花屋で繁子(呉城久美)を発見するが、彼女は触れるものすべてを壊してしまう、型破りな女性だった。そんな繁子と懸命に向き合おうとするうちに、人付き合いを避けるように生きてきた幹夫の人生が変わり始める。
会った瞬間ダッシュで逃走!? 正体不明の妻の“秘密”
春は出会いの季節。今回は、高橋一生さんが主演する『ラプソディ・ラプソディ』を紹介します。この時期だからこそ「自分だったらどうかしら?」と被せてみるのも楽しいかも。とはいえ、こんなことはなかなか起こらないけど…。
主人公の夏野幹夫は、何があっても怒らない男。パスポートの更新のために訪れた役所で、自分の戸籍謄本を見て衝撃の事実が判明。なんと、知らないうちに既婚者になっていたのです!
妻の名前「繁子」を見ても、まったく誰だか分からない。“さすがの夏野も怒るだろ”と思いきや…怒らない。それより、この繁子が誰だか気になって探し始めますが、そんなに簡単に見つかるはずもなく、“もうダメだ”と諦めかけたとき、「夏野さ〜ん」の声。当然、自分の名字だから意識しますよね。
すると、そこにいた繁子は夏野を見るや、猛ダッシュで逃げ出します。夏野はその瞬間、“例の人”が現れたと理解する。
この繁子を、呉城久美が演じます。とてもミステリアスで、どこかユーモラス。いつもイライラしてる繁子は、夏野を怒らせようとするけど、それでも怒らない。逆に、今まで自分としか向き合ってこなく、人付き合いを避けていた夏野が、繁子と接することで少しずつ変わり始めます。
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心を打つ“優しき脇役たち”の存在感
出会いには、さまざまな形がありますよね。お見合いだったり、合コンで知り合ったり、社内恋愛に憧れてみたりしたけど、今はマッチングアプリが人気。しかし、勝手に婚姻届を出されて知らぬ間に結婚とは!? この2人は、いったいどうなるのでしょうか。
私が、この映画でとても好きなのは、お花屋さんで働く繁子の仲間、芹澤興人演じるゲイチ。繁子に対する態度を見て「こんなに気にしてくれる仲間がいたらいいな」って思いました。本気で相手を心配したりする姿勢にグッときた。それと同時に面白い!
また、夏野の会社で働く毒島りずむ役の池脇千鶴! 昔から大好きな俳優だけど、今回は、そんなに多く出てこなくても、夏野と話すときの、りずむの気持ちと鼓動が読み取れる。ドキドキしながら夏野にいろいろ聞いたり、最後は、たぶん傷ついてるはずなのに、人としての対応が素敵。本当に演技がいつも素晴らしい。
皆さんは、これからどんな出会いをしますか? 今のパートナーとどうやって出会ったのか振り返っても会話に華が咲くかも!
「週刊実話」5月7・14日号より
LiLiCo(リリコ)
映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。
