コロラド・ロッキーズの菅野智之がレッドソックス戦で、今季3勝目を挙げた。6回途中でマウンドを譲ったが、シンシナティ・レッズの打線を0点に抑え、防御率は2.84となった。
「打者を追い込んだところで、鋭く落ちるスプリットやスライダーを投げ込み、翻弄していました」(現地記者)
辛口の米メディアも、安定感抜群のピッチングを称賛しているが、そこに興味深い一報があった。「トミー・シュガー」である。菅野は「トミー」と呼ばれていたのだ。
オリオールズに在籍していた昨年、そして巨人時代も「トミー」とは呼ばれていなかった。しかし米メディア「Sports Illustrated」と「Denver Sports」では「Tommy Sugar」となっている。
「Tommy」は「智之」を指すと思われる。では「Sugar」とは何か。直訳すれば「砂糖」だが、ニックネームにするなど文脈によっては、親しみを込めた意味合いになるそうだ。
昨年の菅野はア・リーグでワーストの、被本塁打数33を記録した。ロッキーズの本拠地クアーズ・フィールドは標高の高い場所にあるため、打球が飛びやすく、したがって本塁打が出やすい。
菅野のロッキーズ入りをマイナスに伝えたメディアは多かったが、ここまでホーム3先発で2勝(1敗)している。とはいっても、その3試合で2本塁打を献上しており、トータルですでに5本塁打を打たれている。「一発病」は治まっていないのだ。
ベンチから配球サインが出る異例のシーンに「初めてのこと」
「ロッキーズの正捕手は、4番打者のハンター・グッドマンです。彼がDHで起用される日はブレット・サリバンがマスクを被り、菅野はその両方とバッテリ-を組んできました。打撃優先のハンター、経験値の浅いサリバンは、配球面での評価は高くありません」(前出・現地記者)
3勝目を挙げたレッズ戦では、ベンチから配球のサインが出る異例のシーンがあったそうだ。試合後、菅野は「初めてのこと」と話しているが、ここにも「Sugar」と呼ばれる理由が隠されていた。
「ロッキーズの投手陣は、解消できない悩みのタネです。被打率の高い球場なのでFAになった投手からは敬遠される。プライドが邪魔をしてコーチの言うことを聞かない30代がいれば、捕手が構えたところに投げられない若手もいます。菅野は制球力があり、首脳陣の助言にも従い、練習量は多い」(前出・現地記者)
今年10月には37歳になる、模範的なベテランだ。オジサンになって「トミー」と呼ばれるとは思ってもいなかっただろうが……。
(飯山満/スポーツライター)

