立憲民主党の安住淳幹事長が自民党の執行部人事で、萩生田光一元政調会長の幹事長代行就任など、政治資金パーティー券収入不記載の「裏金議員」が起用されていることについて「昔の政治の悪い部分が戻ってくる」と批判を強めている。
もっとも、この発言についてX上では、作家の門田隆将氏から〈不記載を“裏金”というなら、パーティー券収入を不記載の貴方自身が「裏金議員」では?〉と疑問視されている。
安住氏は10月5日のBSテレ東の番組でも、「裏金議員」が登用されることを問題視して「そういう体質の党とお付き合いするのは難しい。国会でも相当もめると思う」と述べた。
すでに報じられていることを本人は忘れてはいないはずだが、安住氏は2022年分の政治資金収支報告書に、30万円分のパーティー券収入を購入した団体名と金額を記載していなかった。政治資金規正法は、パーティー1回につき20万円超を支払った人や団体の名前、金額などを報告書に記載するよう義務づけている。安住氏は「恥ずかしい話だが、私の責任なので申し訳ない」と陳謝していた。
政界で「ブーメラン」といえば立憲民主党で、政府・与党批判が自らにはね返ってくることで知られる。立憲民主党は政治資金パーティーの全面禁止を規定する法案を提出したが、党幹部らは自身のパーティーをやめることはしなかった。
当時の泉健太代表は、法案が成立しても施行まで2年半の経過期間があるため、その間にパーティーを開くことは問題ないと説明していた。
この時の記者会見で、記者から「タバコ禁止法案を出しながら、法律の成立・施行までは体に悪いタバコを吸い続けるのか」と追及されたが、野球の話にすり替えて「スパイクは危険だから禁止しようという時でも、今は自民党がスパイクを履いているのだから、野党が草履では試合にならない」と反論してみせた。「裏金議員」の安住幹事長がいくら「裏金、裏金」と吠えても、説得力はないようだ。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)

