
2022年の結成以来、圧倒的な歌唱力とエモーショナルなライブパフォーマンスでアイドルシーンを席巻してきた4人組アイドルグループ・yosugalaが、2025年12月にトイズファクトリーからのメジャーデビューを発表。そして2026年3月18日、待望のメジャー1st EP『No Border』をリリースする。
「ジャパニーズカワイイ」全盛のアイドル界において、あえてコンセプトを固めず、歌と感情で勝負してきた彼女たち。憧れのレーベルからのリリースに際し、環境の変化や新作の手応え、そして彼女たちの武器である「歌」が生まれるまでの知られざるエピソードについて、黒坂未来、君島凪、汐見まとい、未白ちあの4人にじっくりと話を聞いた。
■憧れのトイズファクトリーからのメジャーデビュー、「事務所がデカすぎて…」
――12月のメジャーデビュー発表、そしてメジャー初EPリリース、おめでとうございます。トイズファクトリーへの所属から数カ月が経ちましたが、「これがメジャーか」と感じた瞬間はありましたか?
未白ちあ:事務所がちょっとデカすぎるんですよ、トイズさんの(笑)。そこはまずビビりました。うちの事務所、渋谷の端っこのボロアパートみたいな場所だったので……。

汐見まとい:この取材部屋くらいしか……あ、違う、2個くっつけたくらいしかないんで(笑)。あとはやっぱりメディアの露出が増えたことはすごい一番感じますね。
黒坂未来:たくさんの媒体にインタビューに来ていただいて、「すごい!」ってもう。
――日本を代表するビッグアーティストが多く所属するレーベルですが、そこに決まった時のお気持ちは?
汐見まとい:やっぱり「色」があるレーベルだと思うので。どこでも良くて選んでくれたというよりは、ちゃんとyosugalaを「トイズファクトリーっぽいな」と思って入れてくれたのかなっていうのはすごい感じるので嬉しいです。所属してる自覚を持ってちゃんとやっていかなきゃなと思いました。あと個人的に、所属してた大学のサークルからUNISON SQUARE GARDENさんを輩出してるんで……「あ、トイズファクトリーでも後輩になった!」って思いました(笑)。
未白ちあ:私、ずっとあのちゃん(ano)のファンで。だから聞いた瞬間に「あ、あのちゃんとレーベルメイトだ」と思って、なんか引き締まる感じがしました。この前、会えたんですよ!
■まるで「レモンをかじった」ような新鮮さ。新曲『No Border』
――メジャー初EP『No Border』について伺います。表題曲「No Border」はとてもハッピーな印象でした。受け取った時はどう感じましたか?
汐見まとい:今までyosugalaはバンドサウンドみたいなロックなのが基本にありつつ、でも今回はすごいポップス要素が強いなって思いました。新しい、いい一面だなと。今までのyosugalaにはない面で攻めてきたなと思いました。

黒坂未来:新しいyosugalaを見せられる、いい曲に仕上がっています。作詞作曲の竹縄(航太)さんに書いてもらうのは一番最初なので。メロディーは明るいんですけど、ちゃんとyosugalaっぽさもあって、yosugalaのことを分かってくれてるなっていうのは感じました。
未白ちあ:明るくてメジャーデビューにぴったりだなっていうのと、あと今まで刺さらなかった人にも刺さればいいなっていう気持ちもあります。
――歌唱やパフォーマンスについては、4人で話し合って決めるのでしょうか?
黒坂未来:アレンジャーのERENさんが「この曲はこういう感じで」とか、竹縄さんも「こう歌ってほしい」とか、制作陣からのディレクションで初めて一致させていくやり方が多いですね。逆にメンバーとは、こういうインタビューの場で「曲についてこう思ってるんだ」っていう考えを知る、みたいなことが多いです(笑)。
――「No Border」の注目ポイントを教えてください。
汐見まとい:歌割りが目まぐるしく入り組んでる感じ、掛け合いしてる感じが今までになかったかなと思います。結構。私はこの楽曲を聴いた時に、なんか「レモンかじった」みたいな、黄色くて明るい新鮮な気分になったんで。「ルンルン」みたいな気持ちになってほしいですね。

未白ちあ:サビの「ハッピーハッピー」って歌詞を最初見た時に、カタカナで書いてあって「愚直だな…」って(笑)。yosugalaは今まで「頑張ろう」みたいに寄り添う系の曲が多かったんですけど、この曲はいざレコーディングしてみたらすごい楽しくて。「頑張って」じゃなくて「頑張ってみちゃったっていいんじゃない」みたいな、そういう明るさが好きです。「ハッピーハッピー」って歌ってたら、ハッピーハッピーな気持ちになってくる気がします(笑)。
汐見まとい:ならざるを得ないね。

君島凪:「アンラッキーな今日だろうと全部 Enjoy Day」とか、楽しもうっていうことは結構頭から抜け落ちちゃったりするんですけど、「あ、そうだ楽しめばいいんだ」って皆に思い出してほしいですね。
■見たことない攻撃的なyosugalaを感じる「マスカレイドナイト」
――収録曲の「マスカレイドナイト」は、平地孝次さんによる攻撃的なロックサウンドです。
汐見まとい:これはもう、歌詞カードの上の方に解説が書いてあって、それによると「メンヘラ」みたいな曲。好きすぎて殺しちゃう曲らしいです(笑)。
――サウンドはヘビーですが、皆さんの歌声も負けていませんね。
汐見まとい:出てくる感情が強い楽曲ですよね。
未白ちあ:構成が凝ってて、シャッフルで聴いていても飛ばされないというか、コロコロ曲調が変わるので聴いていて飽きないと思います。
黒坂未来:Aメロとかはすごいウィスパーっぽく歌ったりとか、サビは強く歌ったりとか。結構1曲の中で声の使い分けをしてるメンバーが多いんで、そこは聴きどころかなって思います。
汐見まとい:あとテレビ東京『闇芝居 十六期』のエンディングテーマで、初めてのアニメタイアップをいただいた曲なんで、それは全面に押し出したいですね。yosugala初アニメタイアップ。
未白ちあ:歌詞でも“芝居じみてる”って言っちゃってるからね。闇芝居なんで(笑)。
――MVでの皆さんの弾けぶりも見どころでした。
汐見まとい:はい。「やれるとこまでやろう」ってやったのがあれになります。
――あんなにハードなメイクと衣装は、自分たちでも驚きませんでしたか?
汐見まとい:びっくりしましたね。なんか眉毛なくなったんで一回。メイクの過程の途中で、あのNARUTOの『我愛羅(ガアラ)』みたいになったんですよ(笑)。
■メジャーデビュー一発目にふさわしい「ザ・yosugala」な楽曲『ハルカカナタ』
――『ハルカカナタ』はメジャーデビュー楽曲ですね。『全力!脱力タイムズ』の人気番組のエンディングテーマです。
未白ちあ:うん。「ザ・yosugala」って感じ。今までずっと、TKTさんとERENさんが書いてくださってたので。メジャーデビューの一発目としては、今までのファンも安心できるような曲になっていると思います。
――メジャーデビューしても、クリエイターさんも含めてyosugalaのあり方みたいなのを大事にしてくれているのが伝わりますよね。
黒坂未来:この曲はやっぱり、この4人をずっと見てきたTKTさんとERENさんじゃないと書けない曲になってるなって思います。やっぱりメジャーデビュー一発目で出す曲として「ハルカカナタ」だよなってなりますね。
汐見まとい:歌詞に「これはこのメンバーのことだな」「これはこのメンバーのことだな」っていうのが、メンバーから見たら分かるんです。ファンの人は分からないかもしれないけど、「あ、こういうことERENさんに相談したな」とか、そういうことが実は入っているんです。ウチらだけ分かる裏テーマみたいなのがあっていいよね。
黒坂未来: TKTさんとERENさんの曲って、多分ファンのみんなも、「自分のことじゃん」って思えるような歌詞が多いので。誰が聞いても、共感してもらえるようなやっぱ“寄り添い型”だなって思います。
――誰がどこのことを書かれてるのかは…ここで答え合わせしちゃうと面白くないですからね(笑)。
汐見まとい:想像しながら聴いてほしいですね。
汐見まとい:この歌詞の、最初の方の「僕にないもの 君が持ってた ただ羨ましくて」とか、「チグハグな」とか歌詞にも出てくるんですけど。yosugalaって4人がすごいバラバラなんですよ。性格も、歌声も、人生も、誰とも交わらなかったみたいな4人が集まってるんですけど。だから、メンバーを見て「あ、この子これ持ってていいな」とか「自分これ持ってないな」、でも「認めあう」みたいな。それが歌詞に現れています。「バラバラでもいいよね」って認め合って、今yosugalaとして一つの道に進んでることが、私達に合ってる歌詞だなって思ったのと。なんか、結構マイナスな言葉とかも入ってるんですけど、それがすごいyosugalaっぽくていいなって思います。
君島凪:「チグハグな僕らのイコールを見つけたよ」とかも、……バラバラってわけじゃないんですけど、チグハグ…? 育ってきた環境も全然違うし。だけど、同じ方向を見ていくイコールを見つけられたっていうところで、結構感情移入してしまいますね。
■「コンセプトがない」からこそ生まれた人間臭さと、歌唱力の秘密
――これからyosugalaを知る人たちのためにお聞きしたいのですが、ロックサウンド、エモさ、そして歌唱力にも定評がある皆さんですが、「yosugalaのアーティスト性」はどういう点にあると思いますか?
汐見まとい:私は人間臭いところがいいなって思っています。綺麗にラッピングされたアイドルというよりは、個々のパーソナリティーを生っぽく感じられるところが、私達の楽曲と相性がいいんだと思いますね。
未白ちあ:じゃあここからは私が! コンセプトがあってカワイイ女の子が集まってるグループも人気ですけど、私達は「コンセプトがない状態」から始まったグル―プなんですよ。楽曲提供いただく作家さんはAliAさんに決まっていたんですけれど、衣装も最初は定まらなくて。今こそ青がカラーになっていますけれど、最初は赤とか白とか行ったり来たりしてました。私達自身ががむしゃらにyosugalaを探しながら作っていったのが、がむしゃらに見えてきたんです。その姿が歌ってる姿や楽曲とリンクしてきたんだと思います。作りこんでやろうと思ったのではなくて、やってきたらこうなっていきました。
――今は「誰かのよすがになりたい」というキャッチコピーがありますが、それも最初はなかった?
汐見まとい:最初はなんもなかったです。デビューして1、2年後にテレビに出る機会があった時にできた言葉ですね。
未白ちあ:アイドル未経験だったし、最初はもらったものをがむしゃらにやるだけでしたね。
汐見まとい:そう、未経験だったから、ライブの客煽りも全然分からなくて。「そろそろライブで煽りとかいれてみたら?」と言われて始めたようなくらいの感じで……。
――皆さんの中でのyosugalaの共通認識はあるんでしょうか?
未白ちあ:…「やってたらyosugalaになってた」という感じですかね。
汐見まとい:なかなか言葉で表現できるものではないんですよね。
黒坂未来:私達も言語化ができないくらいなので、例えば似ているグループを作ろうと思っても絶対に作れないと思うんですよね。
――そんな唯一無二のグループですが、皆さんの歌声は本当にすごいです。その歌唱力はどう培われたのでしょうか?
黒坂未来:え……最初は全然、めっちゃ下手くそでした。
未白ちあ:でも、歌の杉浦良美先生と出会ったのが奇跡だったと思います。
汐見まとい:元々は「声質」採用だって聞きました。私はほかの3人の歌を聴いて、嫉妬することも多かったです。「もうわたしできない!」みたいな。それでがんばって上達しても、3人が上手くなるからまた嫉妬して……を繰り返してたら……。
未白ちあ:なんかハムスターみたい(笑)。
汐見まとい:刺激をもらうので、「自分もこうなりたい!」って思うじゃないですか。
――みなさん嫉妬されていたみたいですよ?
未白ちあ:でも、私達もまといの歌い方をパクったりするんで(笑)。
汐見まとい:それに気づくんですよ、「これ持っていかれた!」って(笑)。だから「このままだと私は追いつかれる!」ってめちゃ悩んでる時期もあったんです。
黒坂未来:その話は歌の先生から間接的に聴いたことがあります。まといがスランプ入って、ボイトレ中に泣き出して……。
汐見まとい:そうそう。「わぁ~!」って泣き出してね。そしたら先生に「まといに必要なのはボイトレじゃなくて……」って言われて。
未白ちあ:「瞑想だ」ってね(笑)。
一同:笑
汐見まとい:そう、「瞑想だ、力を抜け」って言われて。それから家でピアノを聴きながら「すぅ~」って瞑想してましたね。
君島凪:楽屋でもやってたよ(笑)。でも、まといが引っ張り上げてくれたんだよね。ありがとう。
汐見まとい:お互いにね!
――そんな努力と切磋琢磨の末に、今のyosugalaのユニゾンがあるわけですね。最後にファンの方へメッセージをお願いします。
黒坂未来:メジャーファーストEP『No Border』は、yosugalaとして初めて出す盤のCDです。系統が違う3曲で、今までのyosugala、新しいyosugala、そしてこれからのyosugalaを楽しめるCDになってますので、是非お手に取っていただけると幸いです。
未白ちあ:次はDVDつけたいです! これから頑張ります!

