娘が泣きながら話してくれた夜
娘はめったに泣くことはありません。だからこそ、泣きながら話しかけてきたとき、胸のあたりがざわっとしました。
進路相談で担任にこう言われた、と娘は話してくれました。「中卒の父親に育てられて可哀想ね。せめてあなたは大学に行きなさい」と。
怒りよりも先に来たのは、痛みでした。娘がそんな目で見られていたことへの、じわじわとした痛みです。俺は娘に「明日、学校に行く」と告げました。
中卒であることの意味
高校に進まなかったのは、家の事情からです。後悔はない。建設の現場に入って25年、手を動かして今の仕事を作ってきた。学歴は持ち合わせていないが、それを恥じたことは一度もありません。
ただ、娘の進路相談でその話が出るとは、考えてもいませんでした。娘がどんな顔で担任の言葉を聞いていたのか、想像するたびに苦しくなりました。
