テニス競技はメンタルによって大きく結果が左右されるスポーツです。しかし、メンタルを強化したいけれど「なんか大変そうだ」と敬遠している人はいないでしょうか。
本シリーズでは一般プレーヤーに向けて、伊達公子氏や浅越しのぶ氏といった日本テニス界をけん引したトップ選手の指導経験を持つメンタルアドバイザー椙棟紀男氏に、簡単に身に付くメンタルの強化方法を伝授してもらいます。
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「試合になると本来の力が出せない」とは、よくある質問です。その原因は結果を気にして、今やることに意識が向いていない場合が多いのです。また、不安や力みなどは全て自分と戦っているから生まれてしまいます。試合は相手と戦うのが原則です。相手の嫌がることをしたり、相手の意識の逆を突けばいいのです。
そうしたプレーを引き出すには、一連の動作「テイクバック→インパクト→フォロースルー」がスムーズにできるように、リラックスした“ゼロポジション”の構えが重要になります。肩幅より少し広く立ち、軽くジャンプして自然に沈み込む形で着地します。この時、上半身の力を抜いて息を吐きながら、重心を丹田に落とす感じで行なってください。骨盤を意識した正しいゼロポジションの姿勢です。
以前、合宿中に松岡修造さんと話したことが思い出されます。オフコートでも松岡さんの姿勢が良かったので、「座学の時にも背筋がピンと伸びていますね」と言うと、「最初は少し窮屈な感じがしましたが、慣れるとこの姿勢が一番楽なんです。試合は、時として数時間にも及びますが、疲れが出てきても、この楽な姿勢に戻したら、視野も広がるし相手もよく見えます」と話してくれました。
自然と正しい姿勢を作れて、それが最も楽だと感じられるのは素晴らしいことです。あなたも、1日に数回ゼロポジションを作ってください。テニスの練習前に行なうと効果的です。リラックスとは、専門的に言うと身体と脳に働きかけて「こころ」を調整する技術のことです。
①身体へのアプローチ/呼吸法を使って無駄な力を抜く→息を吐く技術を自分なりにマスターする。
②脳へのアプローチ/不安・焦りの解消→結果を追い求めるより「今、何がしたいのか」に焦点を合わせる。
この2つのことを行なってリラックスできるようにします。自分に合った方法を作り上げてください。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2020年2月号から抜粋・再編集
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