
【車検に落ちる!?】ヘッドライトの曇りに要注意!迫り来る「ロービーム検査」完全移行の落とし穴を自動車ジャーナリストが解説の画像一覧
最近、街中でヘッドライトが白く曇ったり、黄ばんだりしているクルマをよく見かける。ひどいものはすりガラスのようになっており、「夜間、ライトが点いているのか分からない」と危険を感じている人も多いはずだ。実はこのヘッドライトの劣化、見た目が悪いだけでなく、次の車検に通らなくなる「大問題」を孕んでいる。まもなく完全移行を迎える車検の「ロービーム検査」により、かなりの数の古いクルマが不合格の危機に立たされているのだ。最悪の場合「廃車」になりかねない、ヘッドライト劣化の恐るべき真実を解説する。
ヘッドライトの曇りは大問題!迫り来る「ロービーム検査」完全移行
猶予は令和8年まで!古いクルマの多くが車検不合格の危機に
最近、よく見かけるのはヘッドライトが曇っているクルマ。ひどいものはすりガラスに近い感じだったりして、どうしたものかと悩んでいる人も多く、カー用品店では「ヘッドライトの曇りを除去」するアイテムが並んでいたりもする。もちろん見た目だけでなく、性能的にも当然のことながら暗くなってしまう。ひどいとライトが点いているのかわからないぐらいだったりする。
この暗くなるのが大問題で、次の車検には通らないかもしれないのだ。もともと車検時はハイビームで光量を測定していたので、それほど問題にはならなかった。それが対向車がまぶしいなどの声が増えていることなどを受けて、令和6年8月1日にロービームでの測定へと切り替わる予定だった。過去形なのは周知や設備などの問題で、令和8年8月1日まで延期(北海道や東北は除く)されたから。
だが、その期限をまもなく迎えるわけで現在カウントダウン状態。ロービームのほうがもともと光量は少ないので、同じレンズの曇りでも、ハイビームでは通っていても、ロービームだと落ちる可能性が高くなる。さらに対象となるのは平成10年9月1日以降に生産された自動車(バイクなどは除く)で、平成10年は西暦だと1998年。かなりのクルマが不合格になることになる。
光量だけじゃない!配光の要「エルボー点」が出ないと一発NG
また、ただ単に明るければいいというわけではなく、ロービームでは配光も確認される。それがエルボー点と呼ばれるポイントで、左側通行の場合、対向車が眩しくないようにするのと歩行者を発見しやすいように、左上がりの配光になっている。
その上がる地点がエルボー点でこれがクッキリと出ていないと車検はパスできないので、この点でも古いクルマは落ちる可能性が高まる。ちなみにハイビームにはエルボー点はない。

向かって左に上っているのが正しい状態。上がり始めのところがエルボー点だ。光量を上げるためにLEDバルブなどに交換した際、品質によっては明るくなってもエルボー点がちゃんと出ないこともある。
DIYの表面磨きだけでは不十分?車検をパスするための対策と限界

表面の劣化は「磨き+コーティング」がオーソドックスな手法
ではどうすればいいのか? 新品に交換するのが手っ取り早いが、10年以上経過したクルマのなかにはヘッドライトが部品としてもう出ないものもけっこうある。現状を生かした対策としては表面を磨いて劣化部分を落として、コーティングをかけたり、クリアで塗装してしまうのがオーソドックスな方法だ。カー用品店に売られているのはこの方法がほとんど。そのほか、特殊な薬品を蒸気で吹き付ける方法もあるが、毒性が強くてDIY向けではない。
【絶望的】内部のリフレクター劣化や細かなヒビは修復困難
いずれにしても表面がきれいにできれば車検をパスできるかというと、そうとも言えないのがつらい。対象となる年式のヘッドライトは樹脂製で、内部のリフレクターに一度反射させて前方を照らすタイプや、丸いプロジェクターが発光するものがほとんど。リフレクターやプロジェクターの劣化も古い年式では発生していて、こうなると暗いだけでなく、配光が正確にできなくなってしまう。
プロジェクターがうまく外せればクリーニングはできるが、リフレクターの場合、分解できたとしてもメッキが剥がれていると修復は困難。またレンズ部分も、表面ではなく、内側に細かいヒビが発生している例も増えていて、こちらもそうなるとかなりきつい。
