
研ナオコが2026年4月にデビュー55周年を迎えた。1971年に歌手としてデビュー後、女優やタレントなど多岐にわたって活躍し続けている研。そんな彼女のデビュー55周年を記念したコンサートが、CS放送「衛星劇場」にて5月9日(土)夜8時30分よりテレビ初放送される。そこで本記事では放送に先駆け、研の魅力とともに本コンサートの内容と見どころを紹介していく。
■歌手、女優、タレント、YouTuberとしてマルチな活躍を続ける研ナオコ
小学生の頃、のど自慢大会に飛び入り参加したことをきっかけに歌手を志した研は、高校を中退して上京。レコード会社のオーディションに合格し、17歳の時に「大都会のやさぐれ女」でデビューを果たした。
順調なスタートのように思えたが、その後しばらくはレコードがなかなか売れず、日本全国をキャンペーンで回る日々が続く。そんな中、田辺エージェンシー初の所属歌手・タレントとして活動を開始すると、“異色のタレント”として一躍注目を集める。そしてレコード会社移籍後に発表した「愚図」がヒットし、FNS音楽祭で最優秀歌謡音楽賞を受賞。これが転機となり、その後も中島みゆき制作の「あばよ」「かもめはかもめ」といった楽曲でも成功を収め、アンニュイなハスキーボイスでファンを虜にした。
また、研は女優やタレントとしても幅広く活躍。1975年から10年にわたって放送されたバラエティ番組「カックラキン大放送!!」にレギュラー出演し、「第24回24時間テレビ『愛は地球を救う』」では番組初の女性ランナーとして85kmを完走したことでも知られている。
デビュー以来、多方面でキャリアを築いてきた研。2021年1月には、自身のYouTubeチャンネルにて「こうして私が出来上がります【メイク早送り】」というタイトルでメイク動画を投稿した。濃いメイクの印象が強い研のイメージを覆すすっぴん姿で注目を集め、新たなファン層を獲得。歌手活動にとどまらず、常に新しい表現やトレンドにも挑戦していく姿こそ、研の唯一無二の魅力と言えるだろう。

■中島みゆき作品を中心とした「デビュー55周年記念コンサート」
そんな研が1月28日に東京国際フォーラムで開催した「研ナオコ デビュー55周年記念コンサート」。その長いキャリアの節目を祝う特別なステージは、華やかさと温かさが同居する空気に包まれながら幕を開けた。
研はライトに照らされながら、大きな花や蝶があしらわれた着物姿で登場。「Tokyo見返り美人」に合わせ、背中を向けた状態からゆっくりと振り返り、一瞬で会場の空気を掌握する。続く「コントロール」では軽やかなテンポで観客を引き込み、序盤から存在感を示した。MCでは「ありがとうございます。こんばんは」と丁寧に挨拶し、観客との距離を一気に縮める場面も。その後は真っ赤なショールへと衣装を替え、「こんな風に過ぎて行くのなら」を披露。しっとりとした世界観へと移り、楽曲ごとに表情を変える構成が際立った。
続くMCでは、中島から楽曲提供を受けた際のエピソードを告白。研は中島を「世界をちょっと明るくした人」と表現し、飛行機の中で彼女の楽曲を聴いた瞬間、「この人に曲を作ってもらいたい」と感じたという裏話を明かす。その流れで披露された「アザミ嬢のララバイ」、そして「ヘッドライト・テールライト」は、中島へのリスペクトがにじみ出るパフォーマンスとなった。


■長女・ひとみが「地上の星」を熱唱、THE ALFEEとの再会も実現
その後のMCでは、アメリカから一時帰国していた長女・ひとみが全身ブラックの衣装で登場。親子ならではの自然体なやりとりに、会場は和やかな空気に包まれる。研が衣装替えを行う間、ひとみは中島の「地上の星」を熱唱し、力強く安定した歌声で観客を魅了した。その後、スパンコールが散りばめられたベージュのドレスに着替えた研が再登場し、「夏をあきらめて」を披露する。
さらにゲストとして、研が弟のように可愛がってきたロックバンド・THE ALFEEの3人が登場。デビュー55周年を祝福するために駆けつけた彼らとは長年の親交があり、MCでは過去の写真を振り返りながら昔話に花を咲かせる。ステージ上には自然体の笑顔が広がり、積み重ねてきた時間の深さを感じさせた。
「研ナオコ with アルフィー」として1978年にリリースした楽曲「窓ガラス」では、4人の息の合ったパフォーマンスで会場を包み込む。さらに「メリーアン」「星空のディスタンス」といった代表曲も披露され、祝祭感を一層高めていく。研がTHE ALFEEを「かわいいでしょ」と愛でる様子はもちろん、固い絆を感じさせる貴重な共演は本コンサートの見どころの一つとなっている。

■「良い曲はずっと歌い続けたい」…美しいバラードと軽快なMCで観客を魅了
THE ALFEEの退場後は、当時の心境を振り返るMCを挟みながらパフォーマンスが続く。研は「歌手としては全然売れなくて、コントとかCM、ドラマでキャラクター先行に売れちゃったんですね」と語り、その流れでヒット曲の一つ「愚図」を披露。苦悩と転機が交差する時代を、楽曲を通して丁寧に描き出した。
続く楽曲「あばよ」では、「レコード大賞候補にもなったんです」「結局違ったんですけど。途中から追い抜かされました」というエピソードを告白。さらに、「泣かせて」では情感豊かな歌声で観客を引き込み、MCでは「売れなくてもいいから良い曲はずっと歌い続けたい」と語る。その覚悟を体現するかのように、アルバムの中から強くシングルカットを希望したという「かもめはかもめ」を披露。静かながらも確かな重みを持った歌声で、彼女の“良い曲はずっと歌い続けたい”という言葉に偽りがないことを証明していた。
アンコールではシルバーのドレスで再登場し、中島の「糸」を歌唱。力強さと余韻を併せ持つパフォーマンスで締めくくり、「本当にありがとうございました!またどこかでお会いしたいと思います!」と笑顔で手を振り、ステージを後にした。
切ないバラードで観客を酔わせたかと思えば、その余韻を自ら吹き飛ばすようなトークで会場を爆笑に変える。研ナオコならではの“究極の切り替え”が随所で光った本コンサートは、55年のキャリアで磨き上げられた圧倒的な表現力と、唯一無二のエンターテインメントの真髄を改めて印象づける内容となっている。


