
毎年、5月4日は「スター・ウォーズの日」ということで、約半世紀にわたって愛されてきた「スター・ウォーズ」のファンにとって特別な日。日本でも神奈川・みなとみらい周辺など各地でさまざまなイベントが行われている。そんなファンたちが指折り数えて待望しているのが、5月22日(金)に日米同時公開される、約7年ぶりの映画「スター・ウォーズ」シリーズ最新作「スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー」だ。
同作は、映画「スター・ウォーズ/ジェダイの帰還(エピソード6)」(1983年)のその後の世界を舞台に、孤高の賞金稼ぎ・マンダロリアンとフォースの力を秘めた孤児・グローグーの絆を描いたオリジナルドラマシリーズ「マンダロリアン」(2019年ほか)の劇場版。今回、「ファンたちの熱狂に加わって一緒に盛り上がりたいが、今さら追い付けない」という方々に向けて、「スター・ウォーズ」初心者向けの講義を開講する。
■「スター・ウォーズ」の一丁目一番地
まずは、シリーズの大まかな説明から。映画シリーズは、物語の柱となる「スカイウォーカー・サーガ」と呼ばれる“スカイウォーカー家の物語”を描いた旧三部作、新三部作、続三部作(公開順)の3つの三部作(9エピソード)と、それらを補完するアンソロジー・シリーズがあり、今回の映画「スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー」はアンソロジー・シリーズのオリジナルドラマから派生した長編映画となる。
「旧三部作」は、映画第1作「スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)」(1977年※公開当時のタイトルは『スター・ウォーズ』)、「―帝国の逆襲(エピソード5)」(1980年)、映画「―ジェダイの帰還(エピソード6)」(1983年)からなる。
人間と多くの種の異星人が共存するはるか彼方の銀河系を舞台に、銀河の平和と自由と正義の守護者“ジェダイの騎士”へと成長していくルーク・スカイウォーカーが、生物が作り出す神秘的な力“フォース”の暗黒面(ダークサイド)の誘惑に負け、“シスの暗黒卿”ダース・ベイダーとなった父アナキン・スカイウォーカーを暗黒面から救い出し、共に全銀河を恐怖で支配する銀河帝国皇帝にして“シスの暗黒卿”ダース・シディアス(パルパティーン元老院最高議長)を倒すまでを描いた英雄譚だ。
「新三部作」は、映画「―ファントム・メナス(エピソード1)」(1999年)、映画「―クローンの攻撃(エピソード2)」(2002年)、映画「―シスの復讐(エピソード3)」(2005年)からなり、“ジェダイの騎士”だったアナキンがいかにして暗黒面に堕ち、暗黒卿ダース・ベイダーとなったのかを描く。
「続三部作」は、映画「―フォースの覚醒(エピソード7)」(2015年)、映画「―最後のジェダイ(エピソード8)」(2017年)、映画「―スカイウォーカーの夜明け(エピソード9)」(2019年)からなり、ルークによって壊滅された銀河帝国の残党が結成したファースト・オーダーと、それに抵抗するためにルークの妹、レイア・オーガナを中心に結成されたレジスタンスが戦いを繰り広げる様子を描いている。
■メインストーリーを補完するアンソロジー・シリーズ
一方、アンソロジー・シリーズは、前述のメインストーリーに登場した既存のキャラクターの過去や、銀河の歴史に隠れた重要な事件を掘り下げる役割を担っており、映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」(2016年)、映画「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」(2018年)のほか、アニメーション、実写ドラマ、テレビ映画など多くの作品が制作されている。
そして、今回の映画「スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー」は、2019年に制作された実写ドラマシリーズ「マンダロリアン」の劇場版で、銀河帝国が崩壊し、無法地帯と化した銀河に生きる、“我らの道”を合言葉に「人前でヘルメットを脱いではいけない」など厳しい掟に従いながら、どんな仕事も完璧に遂行する孤高の賞金稼ぎ「マンダロリアン」と、強大なフォースを秘めた「グローグー」が、元反乱軍パイロットのウォード大佐から、帝国の復活を狙う新たな戦争を防ぐための依頼を受け、驚くべき運命に立ち向かう姿が描かれる。
■孤高の賞金稼ぎ「マンダロリアン」
そんな「スター・ウォーズ」のオリジナルドラマシリーズ「マンダロリアン」は、ジョージ・ルーカスの愛弟子デイヴ・フィローニをはじめとする制作陣が、「ジョージ・ルーカスがもし今、続編を作るとしたら」という発想の下、熱量高く丁寧に作り上げられ、ファンから“完璧なスター・ウォーズ”とも称されている。ダース・ベイダーの死から5年後の銀河を舞台に、マンダロリアンとグローグーの危険な冒険が描かれた。
「マンダロリアン」は、幼少期にクローン大戦で分離主義勢力のドロイド軍に両親を殺され、マンダロリアンの戦士に救い出された少年ディン・ジャリンが、彼らに育てられて一人前の賞金稼ぎとなったキャラクター。
そもそも“マンダロリアン”というのは、惑星マンダロアを中心に活動していた戦闘民族の族称だ。彼らは全員、命と同じぐらい大事なベスカー鋼のアーマーを身にまとい、戦闘を生業にしていた。そのため、多くの他民族にとっては、恐怖の存在であった。
そんな中、クローン戦争期に平和主義を掲げるサティーン・クライズ女公爵が惑星を統治したため、一部のマンダロリアンは“デス・ウォッチ”を名乗り、平和主義のサティーン公爵を伝統を汚す存在として敵視し、幾度となくクーデターを仕掛けて成功。しかし、シス卿のダース・モールに一時的に支配権を奪われた上に、モールがシディアスに負けて、帝国の支配下に陥ったため、誇り高きマンダロリアンの多くが各惑星へと散らばっていった。
■ペドロ・パスカルやシガニー・ウィーバーもメロメロ
一方、初登場時に「小さいヨーダは何者?」と話題になった“ベビーヨーダ”のグローグーは、ルークの師匠で“ジェダイ・マスター”のヨーダと同じ長命種族の50歳の赤ん坊。マンダロリアンが請けた依頼では“ザ・チャイルド”と呼ばれており、強大なフォースを有していることから銀河帝国とつながる集団から狙われているというキャラクターだ。ドラマシリーズでは、ルークから自分の力をコントロールできるよう指導してもらうシーンもあり、SWファンの話題を集めた。
ちなみに、グローグーの撮影には、主にパペットを使用。複数人のスタッフがリモートでパペットの目や耳などを動かし、リアルに存在しているグローグーを撮影することで、キュートで愛らしい仕草や表情が見る者の心をつかんだ。
マンダロリアンを演じたペドロ・パスカルは、グローグーとの撮影を振り返り「グローグーの話をすると胸が熱くなる。特別な絆を感じている。子どもの頃に見た『スター・ウォーズ』と同じだ」と語っており、新共和国の士官として帝国軍残党を追うウォード大佐を演じたシガニー・ウィーバーは「あの小さな顔を見たら誰もが恋に落ちるはず」とグローグーにメロメロの様子を見せている。
マンダロリアンの渋い立ち居振る舞いと強さ、ぱっちりお目々の愛らしいビジュアルのグローグーのことをもっと知りたいということであれば、オリジナルドラマシリーズ「マンダロリアン」や「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」を見れば理解が深められるだろう。
映画「スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー」は、5月22日(金)に日米同時劇場公開、「スター・ウォーズ」過去作や関連作はディズニープラスで配信中。
◆文=原田健

