中村雅俊の妻・五十嵐淳子が亡くなった。享年73。人生100年時代といわれる中、70代前半での別れは早すぎると感じてしまう。
「俺の人生最大のラッキーは、妻と出会ったことでした。その妻を亡くすことなど考えたことがなくて、今はその現実を受け止めることができません。これから少しずつ前を向いて生きて行こうと思っているので、今はただ静かに見守ってください」
所属事務所を通じて発表されたコメントからは、中村の悲しみが伝わってくる。
五十嵐淳子といえば、1970年代から80年代にかけて、その美貌と気品で清純派女優として絶大な人気を誇った存在だった。1972年のマルベル堂プロマイド売上ランキング女優の部では、関根(高橋)恵子、吉永小百合を抑えて、堂々の第1位である。
そんな彼女と中村の出会いは、中村と松田優作がW主演の刑事ドラマ「俺たちの勲章」だった。コトの詳細は定かではないが、五十嵐が第14話「雨に消えた……」にゲスト出演した際、そのあまりの美しさに中村と松田が取り合ったというのは、知られた話だ。
夫婦で映画を見に行ったら上映後に握手会に
そういえば今年1月、中村が監督した映画「五十年目の俺たちの旅」が公開され、それにともなって開かれた「俺たちの旅スペシャルコンサート」でのことだ。
中村が「妻と家の近所の映画館に見に行ったら、上映後に周囲のお客さんから拍手が起き、そのまま握手会のようになった」という微笑ましいエピソードを明かしていた。相変わらず仲のいい夫婦だな、と思っていたのだが、人の運命はつくづくわからないものだ。
この秋にもコンサートが予定されているが、その頃には、メンタルが元に戻っているかどうか。妻に先立たれた男は悲しみに打ちひしがれ、死亡リスクが高いといわれているが、愛妻家ならなおさらだろう。
などということをつらつら思い出していたら、ワイドショーでもあまり報じられていない様子。若い世代にしてみれば「五十嵐淳子?」ってなものか。昭和は遠くになりにけり。合掌。
(堀江南/テレビソムリエ)

