
核戦争によって荒廃し、暴力が支配する199X年の世界を舞台に、一子相伝の暗殺拳「北斗神拳」の伝承者であるケンシロウ(CV:武内駿輔)の過酷な運命と戦いを描く「北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-」(毎週金曜深夜1:00-、TOKYO MX・BS11ほか)。かつて一世を風靡した不朽の名作の最新アニメ化となる本作。4月24日に放送された第5話は、ケンシロウと宿敵シン(CV:遊佐浩二)の決着、そして悲しき愛の結末が描かれ、ファンを熱狂させた。(以下、ネタバレを含みます)
■因縁の対決と北斗神拳の圧倒的ラッシュ
ケンシロウとシンが本気のバトルに突入。シンの攻撃を全て見切るケンシロウに対し、シンは「南斗雷震掌」といった大技を繰り出すが、煙の奥から現れたケンシロウは無傷。劣勢に立たされたシンは、ケンシロウの目の前でユリア(CV:早見沙織)の胸を突いて動揺を誘うが、これに激昂したケンシロウは服を破り捨て、「シン、てめえは殺す!」と突進。シンの「南斗迫破斬」を紙一重でかわし、手のひらで手刀を受け止めると、猛烈なラッシュ攻撃「北斗十字葬撃」でフィニッシュを決める。
北斗神拳と南斗聖拳が激突するバトルシーンのスピード感と重量感は圧倒的。シンが繰り出す強力な技を冷静に見切り、徐々に優勢になっていくケンシロウの姿から、ユリアを奪われた執念と底知れぬ怒りがひしひしと伝わってくる。最後の「北斗十字葬撃」の炸裂シーンはまさに迫力満点だ。SNSでも「南斗雷震掌だの南斗迫破斬だのAC版の技出してきてワロタ」「シン戦でAC版技名が出てきて興奮した」といったゲームファンからの歓喜の声や、「ケンシロウ『北斗十字葬撃!!』って、十字斬ちゃうの!? リメイクでさらに技名を変えた?」「血の十字架回で十字葬撃が出てきて原作ファンとしては新鮮」と、細かな演出変更に驚き喜ぶコメントがあふれていた。
■歪んだ愛の結末とケンシロウの底知れぬ優しさ
余命わずかとなったシンのもとへ歩み寄るケンシロウ。しかし、殺されたはずのユリアは精巧な人形だった。過去、シンは略奪の限りを尽くして街を築きユリアに捧げるが、彼女はそれを悲観しビルの頂上から身を投げていたのだ。シンは「おれが欲しかったものはたったひとつ、ユリアだ!!」と涙を流し、「お前の拳では死なん!」と自らも身を投げる。ケンシロウは自らの手でシンの墓を作ると、いぶかしむバット(CV:山下大輝)にむけて、その理由を「同じ女を愛した男だからだ」と語るのだった。
ただの悪党ではなく、心の奥底に満たされない愛を抱えたシンの最期に胸を締め付けられる。自分のやり方でしか愛を表現できなかった男の悲哀が、美しい背景とともに映し出される。そして、憎き敵であったはずのシンのために墓を立てるケンシロウの姿に、彼が主人公たる所以である圧倒的な優しさがにじみ出ている。視聴者からも「一方的で自分勝手な想いのために非道外道な悪行したシンが、悲しき男として美化されるのは納得いかない」という声の一方で、「擁護できないけど、でも結構カッコ良かった」「KINGからシンへの移行が原作より強調されてて胸にくる」と、その複雑なキャラクター像への熱い議論が交わされていた。
愛と哀しみが交差するシン編のクライマックスを見事に描ききった第5話。視聴者からも「世紀末の興奮が続く…シン編の締めが印象的」と絶賛の声が上がっている。宿敵との因縁にひとつの決着がついた今、次なる強敵との出会いがケンシロウをどう成長させていくのか。次回以降の展開からも目が離せない。
◆文/岡本大介


