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相手を分断するマンマークもプレッシングも、それだけでは“無用の長物”【コラム】

相手を分断するマンマークもプレッシングも、それだけでは“無用の長物”【コラム】


 マンツーマンも、プレッシングも、ボールに対するプレッシャーが基本であるが、前者は人に対し、後者はスペースに対し、制御を懸ける。二つは同じように見えても違うし、違うように見えて同じところもある。相手の戦いを分断する点は共通点だ。

 モダンなサッカーでは、中盤で守りを敷くにせよ、自陣に下がって守りを固めるにせよ、相手に自由を与えた場合、守るのは難しいし、自ずと攻撃も制限される。それだけに、前線がどのように守りのスイッチを問われるか、が問われるようになったし、戦術機能度のバロメーターにもなっている。

 試合開始15分程度、マンツーマンにせよ、プレッシングにせよ、高い強度で臨めば、相手のビルドアップを分断することは難しくはない。よほどのチームでない限り、ボールを大きく蹴る選択を取らざるを得ないだろう。もっとも、プレスもマンマークも90分間続くことはないに等しく、15分を過ぎたら仕掛ける側は消耗するだけに注意も必要なのだが...。

 一つ言えるのは、分断した後だろう。

 百年構想リーグ、横浜F・マリノス対FC東京という試合で、前半から横浜が東京のビルドアップをマンマークで分断し、優位に試合を動かしているように映った。しかし東京に長いボールを蹴られるようになると、それを回収できない。

 また、一度自分たちのボールにしても、その後がデザインされておらず、練度が低かった。そして前半終了間際に佐藤龍之介にボールを突かれ、それを迅速につながれてしまい、カウンターを沈められている。
 
 敗れた横浜は、試合に向けた戦術的な作戦は遂行できていたが、戦略面で相手に応じて戦いを変えられなかった。局面のトレーニングだけだったことになる。マンマークそのものは機能しても、それがゴールまでつながる、失点を防ぐ、というメッセージは乏しかった。勝つことも負けることもあるだろうが、戦い方全体のデザインのなさは、監督以下の日々の練度の低さが要因だ。

 アスレティック・ビルバオ監督時代のマルセロ・ビエルサは、マンマーク戦術を浸透させるため、選手が「もうやりたくない」と音を上げるほど走らせていた。その強度を重んじた一方、センターバックだけの練習で、相手に蹴らせたボールをどうつなげるかも重ねてトレーニングし、セカンドボールを回収してサイドに預けたときの攻撃バリエーションを反復も怠らず、それぞれのゾーンの練習がパズルのピースのようだった。

 マンマークにせよ、プレッシングにせよ、それだけではトップレベルでは無用の長物である。

文●小宮良之

【著者プロフィール】こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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