藤川阪神に大記録が生まれた。中日戦(5月6日・バンテリンドーム)に登板した高橋遥人投手が3試合連続完封を達成。これが1966年のジーン・バッキー以来となる、実に60年ぶりの快挙となった。左腕となれば、チーム初である。
「これで32イニング連続無失点。球団記録(2002年・井川慶31イニング)を24年ぶりに更新しました」(阪神担当記者)
このメモリアルで脚光を浴びているのが、高橋とバッテリーを組む伏見寅威だ。高橋の3試合連続完封、そして今季の5先発4完封は全て、伏見がマスクをかぶっている。
「何もありません。凄すぎました」
トレード加入した伏見はそう言って高橋を称えるのみだが、阪神の捕手陣は決して手薄ではなかったはずだ。
2014年から主力捕手の梅野隆太郎はすでに1000試合以上、WBC日本代表の坂本誠志郎も2016年から500試合以上、阪神一筋でマスクをかぶっている。いずれも30代だが、それでも35歳の伏見をあえてトレードで獲得したのには、ワケがある。
昨年、ぶっちぎりでリーグ優勝した藤川阪神だが、セ・パ交流戦では7連敗を喫した。「交流戦でもしっかり勝ち切る」ことを念頭に、あえて伏見を獲ったのだ。
伏見は昨年の「バッテリー賞」を獲得しており、打撃には難があるものの、そのリードには定評がある。オリックス時代は山本由伸とバッテリーを組んでいた。
阪神とは正反対の阿部巨人「チーム編成力の差」
この日の3回の守備では二死走者なしでサインミスか、高橋のストレートが脇腹付近に直撃するのはご愛嬌。阪神ファンからは「勝ちを招く」として「勝利の招き猫」というニックネームがつけられている。
これとは正反対なのが、ゴールデンウィークはセ・リーグただ1球団の負け越しとなる3勝6敗と精彩を欠いた、阿部巨人だ。昨年のリベンジを期すべく、今季は「レギュラー白紙」を旗印に、5年総額15億円でソフトバンクから獲得した甲斐拓也に、10年ぶりとなる開幕2軍スタートを命じた。
岸田行倫、大城卓三、小林誠司の30代トリオのみならず、25歳の山瀬慎之助は開幕1軍こそ摑んだが、
「阿部監督は山瀬に4試合チャンスを与えたものの、その試合は全敗。捕手は勝たなきゃいけないと、4月で2軍に落としました」(巨人担当記者)
ちなみに阿部監督自身は現役時代、古田敦也と同じく6度もバッテリー賞を受賞した「勝てる捕手」だったのだが…。
(小田龍司)

