日本時間5月6日のアストロズ戦に先発登板したドジャース・大谷翔平は7回2失点と好投したが、打線の援護なく、今季2敗目を喫した。スコアは2-1。この僅差の投手戦で大谷に投げ勝ったのが、昨年はヤクルトに在籍していたピーター・ランバートだった。
ヤクルトにいたのは2025年の1年のみ。先発ではチームトップの21試合に登板したが、3勝11敗だった。シーズン終了前の8月半ばに帰国してしまい、日本のファンはよく覚えていないのではないか。
ランバートも大谷と同じく7回を投げ、被安打3の無失点でマウンドを譲った。ヤクルト時代の防御率は4.26だったので、「こんなにいいピッチャーだったかな」と思ってしまった。
「昨シーズンが終了してすぐに、アストロズとマイナー契約を結びました。チームは左腕エースのフランバー・バルデス慰留に必死でした。最終的にはバルデスの引き止めに失敗したんですが、投手力の強化が課題だったので、伸びしろのある投手は一人でも多く獲っておこう、という姿勢でした」(現地記者)
しかしランバートの獲得は「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」ではなかった。ランバートは2015年MLBドラフト2巡目で、ロッキーズに指名されている。高校生投手としてはかなり高い評価だが、投手を始めたのは高校3年生の途中。「本格的な投手の練習をさせたら、将来は大物に」と期待されていたそうだ。
今井達也の負傷者リスト入りでチャンスが回ってきた
ロッキーズの本拠地クアーズ・フィールドは高地にあるため、本塁打が出やすい球場だ。
「当時のランバートは打ち込まれていたものの、他球団からは一目を置かれていました。球速は150キロ台前半だから、メジャーリーグでは平均以下。でも変化球は多彩で、ゴロアウトをしっかり取れる投手でした」(前出・現地記者)
トミー・ジョン手術などの不遇もあった。今季の開幕戦をマイナーリーグで迎えたランバートの昇格が決まったのは、4月17日。今井達也がIL(負傷者リスト)入りしたことで、チャンスが回ってきたのである。
昇格翌日には先発登板しており、大谷と投げ合ったドジャース戦は4度目の先発。これで2勝目を挙げた。
「実はヤクルトは2026年も契約するつもりでしたが、ランバートのMLB帰還の希望が強かったので、引き留めるのをやめました」(球界関係者)
「大谷に投げ勝った」ということで、この試合は米メディアが大きく取り上げた。
今井と入れ替わっての昇格といい、NPBとは深い関係があるが、その件はアメリカで報じられていない。この先、ランバートが勝ち星を積み上げれば、池山ヤクルトの好調ぶりが紹介されるかもしれない。
(飯山満/スポーツライター)

