
『魔女の宅急便』静止画より (C)1989 Eiko Kadono/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, N
【画像】え…っ!「大人っぽい」「貫禄ある」 こちらが“成長したキキ”の姿です(3枚)
映画の3年後に訪れた、切ない遠距離恋愛の行方とは?
ゴールデンウィーク明けとなる2026年5月8日(金)、「金曜ロードショー」にてスタジオジブリの名作『魔女の宅急便』が放送されます。1989年の公開から30年以上が経った今もなお、色あせることなく多くの人に愛され続けている一作です。放送を前に「そういえばキキとトンボはその後どうなったんだろう?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
実は映画では描かれていない「その後のキキ」が、原作小説にはしっかりと描かれていました。
映画のラストから3年後、ふたりは離ればなれに
映画では、13歳のキキが飛行船事故からトンボを助けたところで物語が幕を閉じます。あのシーンを見て「ふたりはきっと付き合うんだろうな」と想像した方は多いことでしょう。ところが原作を読むと、その後の展開はなかなか一筋縄ではいきません。
角野栄子さんによる原作小説は全6巻で構成されており、第2巻までは映画版とほぼ同じ流れです。第3巻で描かれるのは、映画の出来事から3年後の世界で、16歳になったキキは変わらず同じ街で配達の仕事に励んでいますが、トンボはといえば遠い街の学校へ進学してしまいます。
離れて暮らすふたりは文通を始めるものの、トンボは相変わらず大好きな昆虫に夢中で、キキのことはどこか二の次のようでした。会うこともままならない遠距離のなか、キキだけが恋心を募らせていく、切ない片想いの日々が続きます。
20歳のキキを揺さぶった、ドレスデザイナーとの出会い
進展しない想いに不安を抱えながらも歩み続けたキキが、20歳を迎えた頃に運命的な出会いをします。相手は「サヤオ」というドレスデザイナーの男性です。彼が手がける美しいドレスの数々にキキはすっかり魅了されますが、その経験がかえってキキに自分の「本当の気持ち」を気付かせることになりました。
キキはサヤオに「自分の結婚式にはドレスを作ってほしい」とさらりと伝えます。新しい出会いに惑わされることなく、トンボへの愛情をあらためて確認したこの瞬間は、キキらしい真っ直ぐさが光るエピソードといえるでしょう。
キキ22歳、ついに結婚へ。そして双子が誕生
長年の片想いがようやく実を結んだのは、キキが22歳のことです。映画で描かれた13歳の時点から数えると、実に9年もの歳月をかけてのゴールインとなります。
さらに最終巻である第6巻では、結婚から13年後の物語がつづられます。35歳になったキキとトンボには「ニニ」と「トト」という13歳の双子が誕生していました。姉のニニは魔女として修行に出るべきか葛藤しており、弟のトトは男の子ゆえに魔女になれないことに不満を感じています。そんなふたりを前にしたキキは、かつて両親が自分にしてくれたように、子供たちが選ぶ道をそっと応援する母親の顔を見せています。
余談ですが、宮崎監督は映画制作の大づめのころ、「トラック運送会社を経営するキキ」という冗談のような続編案を考えたこともあったそうです。仕事が忙しくなりすぎたキキが「これからはホウキではなく車の時代だ」と考え、トンボを専務に据えて会社を立ち上げるというユニークなアイデアですが、あくまでも笑い話の域を出なかったようです。
映画だけでは知ることのできない、キキの長い人生
SNS上では「原作の続きをアニメで見たい」「6巻まで映像化してほしい」という声が今も絶えません。一方で「続きが描かれないからこそ余韻がある」と、映画版のその後を自由に想像して楽しんでいるファンも多くいます。
13歳で旅立ったキキが恋をして、結婚して、母親になるまでの長い物語を知れば、きっとキキのことがもっと好きになるはずです。
