チャンピオンズリーグ(CL)準決勝・第2戦で、アーセナルがアトレティコ・マドリーを1-0で下し、2戦合計スコア2-1で2005-06シーズン以来となる決勝進出を果たし、悲願の欧州初制覇に王手をかけている。
試合後、ミケル・アルテタ監督は、「信じられない夜だ。我々はともに歴史を作った。このクラブに関わる全員のために、これ以上ないほど幸せだ」「我々は、野望と欲求を完全に共有している。時には運も必要だが、ここまで膨大な努力と情熱、信念を注いできた。今日はその報酬を受け取った」と語り、長いプロジェクトの成果であると強調した。
一方、前半終了間際にレオナルド・トロサールのシュートをGKヤン・オブラクが弾き、そのこぼれに素早く反応して決勝ゴールを挙げたブカヨ・サカは、「本当に美しい瞬間だ。これが僕たちにとって、そしてファンにとってどれほど大きな意味を持つか分かるだろう。みんな本当に幸せだ」「大きなプレッシャーのかかる試合だったが、上手くコントロールして決勝へ進めた」と語り、「(決勝が開催される)ブダペストでハッピーエンドになることを願っている」と、欧州制覇への期待をにじませた。
もっとも、この試合内容に対しては、厳しい意見も寄せられている。スペインのスポーツ紙『as』は、元オランダ代表MFヴェスレイ・スナイデルの「35分経った時点で、UEFAに電話して試合を中止し、『バイエルン対パリ・サンジェルマンを決勝にしろ』と言いたかった。正直、この試合は恐ろしく退屈だった」との厳しいコメントを紹介した。
さらにスナイデルは、「アーセナル対アトレティコの一戦は、CL準決勝のようには感じられなかった。強度も創造性も、最後の局面での本物のクオリティーも欠けていた。今夜見た内容を基準にすれば、パリSGかバイエルンのどちらが決勝に上がってきても、簡単に勝つだろう」と酷評。加えて、「アーセナルは審判に感謝すべきだ。ジュリアーノ・シメオネへのファウルは明白だったし、アントワーヌ・グリーズマンへのPKもあった」と、判定面にも不満を示している。
それでも、米スポーツ専門チャンネル『ESPN』は、この夜のアーセナルには歴史的価値があったと強調。「アーセナルにとって歴史的な夜」と題した記事では、「数千人のサポーターがチームバスを迎え、新たなティフォが掲げられ、スタジアムの騒音は耳をつんざくほどだった。試合終了の笛は、まさに祝祭の始まりだった」と現地の熱狂を描写。また、「アルテタ監督は、懐疑論者たちをすでに黙らせたのかもしれない」と指摘し、契約延長論争すらも吹き飛ばすほどの一戦だったと評した。
さらに同メディアは、サカについて「アーセナル生え抜きのスターが再び結果を残した」と絶賛。「サカはCL準決勝で2試合とも得点した初のアーセナルの選手となった」と紹介し、「アキレス腱負傷から慎重に復帰プランが組まれているが、これは24歳の選手にとってさらなる前進だ」と評価している。
守備陣に対しても賛辞が贈られ、「アーセナルは今季、CL14試合でわずか6失点。9度のクリーンシートは最多だ」と紹介し、「ガブリエウ・マガリャンイスとウィリアム・サリバは欧州屈指のCBコンビとしての評価を固めつつある」とポジティブに綴られた。
英国公共放送『BBC』も、アーセナルがプレミアリーグとCLの「2冠」へ近づいていると報じており、「プレミア制覇への22年の渇望に注目が集まりすぎた結果、ブダペスト行きを決めるまでのCLでの無敗街道は十分な評価を受けてこなかった」と指摘し、「アーセナルはCLで唯一の無敗チームであり、バイエルン、インテル、スポルティングを倒してきた」と、その戦いぶりを称賛している。
さらに、MFデクラン・ライスの「特別な何かが築かれている感覚があった」というコメントを紹介しつつ、「勢いは完全にアーセナル側にある」と指摘。マンチェスター・シティの足踏みによりプレミア制覇も現実味を帯び、「歴史的ダブルの可能性が視野に入ってきた」と伝えた。
英国の日刊紙『The Guardian』もまた、この勝利が単なる決勝進出以上の意味を持つと指摘。「アーセナルはアトレティコを退け、『失敗への恐怖』を振り払いつつある」と題した記事の中で、「ここ数年、多くのチャンスを逃してきたアーセナルは、突然、そして予想外なほど鮮やかに、挽回の機会を掴んだ」と記している。
同メディアはまた、「この勝利は攻撃的な“花火大会”ではなく、規律と決意によって勝ち取られた」と強調。「アーセナルはアトレティコを包括的に封じ込めた。後半序盤のPKアピール以外、ほとんど危険な場面はなかった」と堅守を称賛した上で、「かつては精神面の弱さを疑問視されてきたが、今は(ライバルたちと)立場が逆転したかのようだ」と論評し、「失敗への恐怖は消え去り、代わりに目的意識が芽生えている。それがクラブ史上最高の1か月をもたらすかもしれない」と、期待を込めて記事を締めくくった。
構成●THE DIGEST編集部
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