NBAのプレーオフは現地5月3日に1回戦の全日程が終了し、東西カンファレンスのセミファイナルがスタートした。
プレーオフはレギュラーシーズンと比べて、ワンプレーの重みや守備の強度が増し、全体の平均得点は下がる傾向にある。よって1人の選手によるハイスコアゲームの頻度は減り、その価値は大きく異なる。
本記事では、NBA全30球団におけるプレーオフの1試合得点記録を紹介。前回のイースト編に続き、ウエスト編をお届けする。
(※選手名の*付きは現在籍。C=カンファレンス、D=ディビジョン)
■ロサンゼルス・レイカーズ
1位:エルジン・ベイラー/61得点(1962年ファイナルvsセルティックス)
2位:ジェリー・ウエスト/53得点(1969年ファイナルvsセルティックス)
3位:ジェリー・ウエスト/52得点(1965年D決勝vsブレッツ*)*現ウィザーズ
プレーオフでの1試合最多得点記録は、当時2年目のマイケル・ジョーダン(シカゴ・ブルズ)が1986年ファーストラウンドでマークした63得点。同年のチャンピオンに輝くボストン・セルティックス相手に演じた超絶パフォーマンス後、敵軍エースのラリー・バードが「あれはジョーダンの姿をした神だ」と漏らしたことも、のちの神格化に拍車をかけた。
そのジョーダン以前の記録保持者が、レイカーズのベイラーだ。
1958年~71年にかけてレイカーズ一筋で活躍した名スコアラーは、セルティックスと対峙した62年のファイナル第5戦で61得点、22リバウンドの大暴れ。これは今でもNBAファイナルレコードとして刻まれている。
このシリーズ、平均40.6点と大爆発したベイラーだが、3勝2敗と王手をかけた後の第6、7戦に敗れ、頂点には届かず。通算7度出場したファイナルで6度セルティックスの壁に跳ね返され、一度も優勝することはできなかった。
球団史上2位と3位に入ったのは、“ミスター・クラッチ”の異名を取ったウエスト。69年のファイナルでは初戦で53得点を叩き出すと、シリーズ平均37.9点を奪取。チームは7戦の末にセルティックスに敗れたが、その活躍が認められ、初代ファイナルMVPに選ばれている。
なお、球団4位にはコビー・ブライアントがランクイン。自身初の得点王に輝いた2006年の1回戦第6戦で、サンズ相手に50得点を奪った。レイカーズの歴史でプレーオフに50点ゲームを披露したのは、この3人のみとなっている。
以下は、得点記録の高いチーム順に紹介していく。■ユタ・ジャズ
1位:ドノバン・ミッチェル/57得点(2020年1回戦vsナゲッツ)
2位:ドノバン・ミッチェル/51得点(2020年1回戦vsナゲッツ)
3位:カール・マローン/50得点(2000年1回戦vsスーパーソニックス*)*現サンダー
■ゴールデンステイト・ウォリアーズ
1位:ウィルト・チェンバレン/56得点(1962年D準決勝vsナショナルズ*)*現76ers
2位:リック・バリー/55得点(1967年ファイナルvs76ers)
3位:ウィルト・チェンバレン/53得点(1960年D準決勝vsナショナルズ*)*現76ers
■フェニックス・サンズ
1位:チャールズ・バークレー/56得点(1994年1回戦vsウォリアーズ)
2位:デビン・ブッカー*/49得点(2024年1回戦vsウルブズ)
3位:スティーブ・ナッシュ/48得点(2005年C準決勝vsマーベリックス)
■ポートランド・トレイルブレイザーズ
1位:デイミアン・リラード*/55得点(2021年1回戦vsナゲッツ)
2位:デイミアン・リラード*/50得点(2019年1回戦vsサンダー)
3位:ラマーカス・オルドリッジ/46得点(2014年1回戦vsロケッツ)
■デンバー・ナゲッツ
1位:ニコラ・ヨキッチ*/53得点(2023年C準決勝vsサンズ)
2位:ジャマール・マレー*/50得点(2020年1回戦vsジャズ)
2位:ジャマール・マレー*/50得点(2020年1回戦vsジャズ)
4位:ニコラ・ヨキッチ*/44得点(2025年C準決勝vsサンダー)
■オクラホマシティ・サンダー
1位:ラッセル・ウエストブルック/51得点(2017年1回戦vsロケッツ)
2位:ラッセル・ウエストブルック/47得点(2017年1回戦vsロケッツ)
3位:ラッセル・ウエストブルック/46得点(2018年1回戦vsジャズ)
■ダラス・マーベリックス
1位:ダーク・ノビツキー/50得点(2006年C決勝vsサンズ)
2位:ダーク・ノビツキー/48得点(2011年C決勝vsサンダー)
3位:ルカ・ドンチッチ/46得点(2021年1回戦vsクリッパーズ)
3位:ダーク・ノビツキー/46得点(2003年1回戦vsブレイザーズ)
■ロサンゼルス・クリッパーズ
1位:ボブ・マッカドゥー/50得点(1975年C準決勝vsブレッツ*)*現ウィザーズ
2位:カワイ・レナード/45得点(2021年1回戦vsマーベリックス)
3位:ボブ・マッカドゥー/44得点(1974年C準決勝vsセルティックス)
ウエストは全15チーム中、7チームで現役選手がプレーオフ記録を保持(イーストは6チーム)。
ジャズは現クリーブランド・キャバリアーズのミッチェルが、2020年のファーストラウンドで2度の50点ゲームを達成。オーバータイムにもつれた初戦でリーグ歴代3位の57得点を奪うと、第4戦にも51得点をあげて球団レジェンドのマローンの持つ記録を塗り替えた。
ナゲッツとのこのシリーズでは両チームのガード対決が注目を集め、ナゲッツはマレーが第4戦と6戦に50得点をマーク。当時の球団記録を更新したこの3年後、ヨキッチが53得点で1位に立ち、同年にチームを初優勝に導いた。
ブレイザーズはリラードがトップ2に君臨。19年の1回戦第5戦では、シリーズ突破を決める劇的ブザービーターで50点の大台に乗せ、その名をNBA史に刻んだ。
サンダーはケビン・デュラントや現エースのシェイ・ギルジャス・アレキサンダー(SGA)を差し置いて、ウエストブルックがトップ3を独占。ただ、この3試合ともチームは敗れ、同年はいずれも1回戦敗退に終わっている。
ちなみに、SGAのプレーオフハイは今年の1回戦第3戦で記録した42得点、デュラントのサンダーでの最多は41得点と、1試合単位では意外と控えめだった(※デュラントのプレーオフ最多は、ウォリアーズ時代の2019年1回戦第6戦でマークした50得点)。 以下は、プレーオフで50得点ゲームを達成した選手が存在しない6チーム。
ロケッツはレジェンドセンターのオラジュワンが3年目に記録した49得点が最多。この試合は再延長の末に敗れたものの、25リバウンド、6ブロックもマークする驚異のスタッツを残した。
グリズリーズとウルブズは、現エースがランキング上位を占める。
グリズリーズはモラント以外に40得点以上をあげた選手がおらず、4位はデズモンド・ベイン(現オーランド・マジック)の36得点。ウルブズはエドワーズを除く40得点達成者が、今季のドスンムと、2004年のサム・キャセールのみ。大舞台において、個で戦況を打開できるスコアラーがいかに貴重かを物語っている。
■ヒューストン・ロケッツ
1位:アキーム・オラジュワン/49得点(1987年C準決勝vsスーパーソニックス*)*現サンダー
2位:アキーム・オラジュワン/46得点(1994年1回戦vsブレイザーズ)
3位:ジェームズ・ハーデン/45得点(2015年C決勝vsウォリアーズ)
3位:アキーム・オラジュワン/45得点(1995年1回戦vsジャズ)
■メンフィス・グリズリーズ
1位:ジャ・モラント*/47得点(2022年C準決勝vsウォリアーズ)
1位:ジャ・モラント*/47得点(2021年1回戦vsジャズ)
3位:ジャ・モラント*/45得点(2023年1回戦vsレイカーズ)
■ニューオリンズ・ペリカンズ
1位:アンソニー・デイビス/47得点(2018年1回戦vsブレイザーズ)
2位:ドリュー・ホリデー/41得点(2018年1回戦vsブレイザーズ)
3位:デイビッド・ウエスト/38得点(2008年C準決勝vsスパーズ)
■サンアントニオ・スパーズ
1位:ジョージ・ガービン/46得点(1978年C準決勝vsブレッツ*)*現ウィザーズ
2位:ジョージ・ガービン/44得点(1980年1回戦vsロケッツ)
3位:カワイ・レナード/43得点(2017年1回戦vsグリズリーズ)
3位:トニー・パーカー/43得点(2009年1回戦vsマーベリックス)
■ミネソタ・ティンバーウルブズ
1位:アンソニー・エドワーズ*/44得点(2024年C準決勝vsナゲッツ)
2位:アヨ・ドスンム*/43得点(2026年1回戦vsナゲッツ)
2位:アンソニー・エドワーズ*/43得点(2025年1回戦vsレイカーズ)
2位:アンソニー・エドワーズ*/43得点(2024年C準決勝vsナゲッツ)
5位:アンソニー・エドワーズ*/41得点(2023年1回戦vsナゲッツ)
■サクラメント・キングス
1位:オスカー・ロバートソン/43得点(1963年D決勝vsセルティックス)
1位:オスカー・ロバートソン/43得点(1963年D決勝vsセルティックス)
3位:オスカー・ロバートソン/41得点(1963年D準決勝vsナショナルズ*)*現76ers
構成●ダンクシュート編集部
カニングハムがピストンズのPO最多得点者に!他チームのNo.1選手は?【NBA球団別プレーオフ得点記録/イースト編】<DUNKSHOOT>
「あれはマイケル・ジョーダンの姿をした神だ」名言誕生から40年。2年目の若手が最強セルティックス相手に63得点の衝撃<DUNKSHOOT>

