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<プラダを着た悪魔2>冒頭から胸がじわっと…「泣いてしまった」「刺さり過ぎる」新生“働く女性のバイブル”に共感の声続々

<プラダを着た悪魔2>冒頭から胸がじわっと…「泣いてしまった」「刺さり過ぎる」新生“働く女性のバイブル”に共感の声続々

「プラダを着た悪魔2」より
「プラダを着た悪魔2」より / (C) 2026 20th Century Studios. All Rights Reserved.

メリル・ストリープとアン・ハサウェイが共演する「プラダを着た悪魔2」が5月1日に日米同時公開され、オープニング3日間の全世界興行収入が約2億3360万ドル(約366億円)を記録した。公開から1週間たたずして既にリピートしたとの投稿もSNSに上がるほど話題沸騰中の同作をレビューする。(以下、ネタバレを含みます)

■セルフオマージュの冒頭から胸アツ

冒頭から泣いてしまう…というのは大げさだとしても、胸がじわっとアツくなって高揚したのは確か。“アンディ”ことアンドレア・サックス(ハサウェイ)のモーニングルーティンの描写。繰り返し前作を見たことがある方なら共感いただけるだろう、「あぁ、あの世界が帰ってきた」と。SNSにも「アンディがアンディ過ぎてうれしかった」「これこれって感じ」というファンの投稿があった。

前作「プラダを着た悪魔」(ディズニープラスで配信中)が大ヒットし、続編を希望する声も多かった。ただ、ストリープやハサウェイは、過去のインタビューで続編に消極的なコメントをしていたこともあり、“働く女性のバイブル”と称された前作は、そのままで完璧で、長く愛される普遍的な名作となったのだ。

そんな中、前作も担当したデヴィッド・フランケル監督と脚本のアライン・ブロッシュ・マッケンナ氏、そしてストリープ、ハサウェイら主要スタッフ&キャストが奇跡的に再集結して、アンディとミランダ・プリーストリー(ストリープ)の“今”を生み出した。

2006年に公開された前作から20年の時がたち、目まぐるしく変わった社会情勢。アンディやミランダが身を置く出版業界、ファッション業界も例に漏れず。だからこその続編の意義を痛切に感じることになった。

■アンディがミランダ率いる「ランウェイ」にカムバック

1作目では、ジャーナリスト志望のアンディが希望の会社への就職が難航する中、一流ファッション誌「ランウェイ」の編集長・ミランダのアシスタントに採用。私的な時間を削ることもおかまいなしに容赦ない指示を出す悪魔的なミランダの下、彼女の仕事に対する高いプロ意識から学び、成長しながら、自分が大切にするものや価値観に気付く物語だった。

40代になったアンディは、ジャーナリストとして第一線で活躍。だが、そんなアンディも厳しい社会情勢に巻き込まれる。賞の授賞式で名前が読み上げられるのを待っていると、同じテーブルにいた同僚たちとアンディのもとに相次いで解雇のメールが届いたのだ。栄えあるスピーチは一転して、理不尽な解雇への感情が爆発するものに。

その頃ミランダはというと、相変わらず「ランウェイ」のトップに君臨していたが、発言が切り取られてSNSで大炎上中だった。その事態を収めようと、ランウェイを出版する会社の会長が、スピーチの様子がバズっていたアンディに特集エディターの職をオファーする、というのが新たな物語の始まりとなる。

先般アメリカの大手新聞社が多くの記者たちを解雇したというニュースが報じられたが、アンディたちのようにメールで通知されたようで、なんとも生々しい。また、あの毒舌のミランダがコンプラを意識して第1アシスタントに発言を注意されるばかりか、前作で名シーン(あるいは迷シーンともいえる)であった、コートやかばんをアシスタントの机に片づけなさい、と投げ置くことも今はなく、自分でするのだ。

時代が変わり、その変化の影響を受けてしまうこと、変わらざるを得ないことはままある。生きていくにはそれらを受け入れなくてはいけない。では、その現実に向き合ったとき、キャリアや自分の価値観とどのように折り合いをつけていくのかということを、ミランダやアンディは見せてくれる。

「プラダを着た悪魔2」より
「プラダを着た悪魔2」より / (C) 2026 20th Century Studios. All Rights Reserved.

■ミランダとアンディとともにエミリー、ナイジェルも鍵となる展開

「ランウェイ」がミランダのSNSでの炎上で揺らぐというのも時代だ。経費削減で20年前のような予算をかけた撮影は思うようにできなくなったばかりか、デジタル化の流れで存続の危機にさえある。

その編集部に再び身を置くことになったアンディは、友人からミランダの暴露本を出さないかという内密の話も受けた。一方、ミランダはアンディが採用されたことを知らなかったばかりか、アンディのことも覚えていない様子…なのだが、後のやりとりからするに、ミランダ流のジョークであったようにも思える。

その中で、アンディの採用によって、もともとそのポジションにいた人物を即座にクビにするというのは悪魔的でもあり、アンディの解雇劇からすると皮肉でもあるが、世知辛いながらも編集部の事情を考えればトップとして理解できる判断でもある。

そしてミランダの横では、アンディがいた20年前に悲し過ぎる裏切りに遭ったナイジェル(スタンリー・トゥッチ)が右腕として支え続けており、アンディは歓喜の再会を果たす。さらに、かつてはミランダの一言でコレクション全替えなんてこともあったファッションブランドだが、今では広告主としてミランダに交渉を持ち掛ける力を持っている。そのブランドの一つ、ディオールで管理職の座についているのが、かつてのアンディの先輩で、ミランダの第1アシスタントだったエミリー(エミリー・ブラント)だ。

今回のアンディは、これまでのジャーナリストのキャリアで培った文章力と企画力で記事を書き上げ、「ランウェイ」のために奔走する。それがある大きな仕事にも結びつき、ミランダを満足させ、肩を並べて働くという関係に変化する。

しかし、会社そのものを揺るがす事態が起き、ミランダやアンディたちは窮地に陥る。そこにエミリーも絡んで物語は進む。

それぞれのキャリア、失われない野心。悪魔の影が潜んだり、悪魔に揺さぶられたり、飲み込まれそうになったり。その中でミランダが口にする「レガシー(遺産)」は、自らが命を懸けてきた「ランウェイ」という雑誌が、古いものではなく、今の世に価値あるものにするにはどうしたらいいかという思いが込められる。

前作のクライマックスではニューヨークからパリへと舞台が移ったが、今回はミラノ。タイトルに入っているプラダをはじめ、多くのハイブランドのショップが建ち並ぶ歴史あるアーケード、ガッレリアでミランダが歩くシーンや、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画の前での晩餐シーンは、物語の展開を象徴するようなしゃれたもので、フランケル監督の演出力にもうなる。

■日本のファンが沸騰するものも!? 働く大人の女性に突き刺さる名ぜりふ

ミランダ、アンディ、エミリー、ナイジェル。20年前と同じキャストで、彼女たちの20年後がスクリーンに映し出されるぜいたくさ。冒頭のシーンしかり、2本のベルト、セルリアン色の服、ナイジェルとアンディの編集部のクローゼットでのやりとり、ポタージュをこぼしてしまうハプニングなど、前作のオマージュともいえるものが次々に登場し、ニンマリしてしまう。

アンディのアシスタントになるジン(ヘレン・J・シェン)が、アシスタントになるべくアピールする姿にかすかに20年前のアンディが重なる。前作を見ていなくても十分楽しめるが、やはり復習しておくと物語の世界にもう一歩踏み込める。

さらに今回も名ぜりふがちりばめられている。SNSにはリピートして字幕版、吹き替え版で確認したという人からの投稿もあるほどに反響が大きい。

ミランダおなじみの「以上よ(That‘s all)」はコンプラの影響か、ぐっと少なくなったけれども、やっぱり発せられるとグッとくるし、前作の最後を飾った「行って(Go)」も、よきところで出る。そして、SNSでも多くの反響が上がっているのが、ミランダが仕事への思いを端的に表す言葉。前作ではエミリーがひっそりつぶやいていたことでもあったことを思い出すと、かなり胸アツだ。

かつて悪魔と呼ばれたカリスマが発することで、SNSには「仕事頑張ろうって思える」「刺さり過ぎる」「わかりみしかない」「そう言えるようになりたい」といった声が寄せられている。

エミリーといえば、ラスト近くでアンディとランチする場面。素直になれないエミリーのかわいい発言が続く中で、フレンチフライに対する“名言”は、翻訳の妙もあるのかもしれないが、あるお笑い芸人のバズったコメントに通じていて、日本のSNSで「まさかエミリーからこの言葉が出るなんて」と話題となっている。忙しく働く合間のご褒美時間に使いたくなる言葉だ。

さらに、ナイジェルにミランダがかける言葉のほか、終盤でえっと驚くアンディに対する秘話とともに発せられる名言も聞き逃せない。いくつもの決断をするアンディを優しく支えるナイジェルから出る言葉。こちらも大いなるネタバレになってしまうためそのものの言葉は差し控えるが、そのシーンで「泣いてしまった」という声も上がっており、この続編を見てよかったと思える深い余韻を残す名言の一つとなっている。

ルーシー・リュー、ケネス・ブラナーと、ベテラン勢が新たに加入する一方、ジンなど20代のキャラクターが物語の中心というわけではないため、若者世代の方々は共感ポイントが少ないかもしれない。けれども、前作がそうであったように、今作もあと何年後かに見返すときっと誰かの物語、言葉が胸に刺さるだろうし、ファッショナブルさは目の保養になり、「おしゃれがしたい」という楽しみを後押ししてくれるはず。間違いなく、今作も“働く女性の新たなバイブル”に仕上がっている。

ファッションは新しいだけではない、“古着”としての価値もある。アンディがハイブランドの古着でおしゃれするのも今っぽいし、その選択をするのもアンディらしい。そのアンディやミランダ、エミリー、ナイジェルは、キャリアや自分の中の価値観にどんな選択、決断をしたのか。ぜひスクリーンで見届けてほしい。

◆文=ザテレビジョンシネマ部



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