
【問題】
虫が二匹に春――なんとも不思議な構成のこの漢字。見た目のインパクトに反して、意味を聞けば「ああ、あの言葉か!」と膝を打つはずです。
★ ヒント
虫や生き物がもぞもぞと動く様子を表す動詞です。「暗闘の中で何かが○○○く」のように、不気味な動きを描写するときにも使います。
【解説】

「蠢く」は「うごめく」と読みます。漢字をよく見ると「春」の下に「虫」が二つ並んだ構成になっています。これは、春になると冬眠していた虫たちが一斉に地中からもぞもぞと動き出す様子に由来しています。いわゆる「啓蟄(けいちつ)」の情景そのものを一字で表した、非常に絵画的な漢字です。現代では虫に限らず、人や物が不穏にざわざわと動く様子にも比喩的に使われます。「群衆が蠢く」「陰謀が蠢く」など、やや不気味なニュアンスを帯びる表現として小説やニュースでもよく見かけます。季節の移ろいを虫の動きで捉えた、日本語ならではの美しい造字と言えるでしょう。
漢字の成り立ちを知ると、一文字の中に物語が詰まっていることに気づかされます。次回も驚きの一字をお届けしますのでお楽しみに!



