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小芝風花(16歳)主演、『呪怨』監督の実写『魔女宅』覚えてる? ジブリより「原作通り」にしたら衝撃シーンが

小芝風花(16歳)主演、『呪怨』監督の実写『魔女宅』覚えてる? ジブリより「原作通り」にしたら衝撃シーンが


小芝風花さん(2023年6月撮影、時事通信フォト)

【画像】え、「可愛すぎる」「顔変わってない」「こりゃ500人から選ばれるわ」 コチラが16歳の小芝風花さんが再現したキキです

セットとロケーションの再現度は原作者のお墨付き

 5月8日(金)の金曜ロードショーでスタジオジブリのアニメ映画『魔女の宅急便』が地上波放送されました。本作には、2014年に公開された「実写版」があります。ジブリ版の実写化ではなく、角野栄子さんの原作小説をもとにした映画です。

 本作は、後述する通りアニメ版のファンが拒否反応を抱いてしまう要素や、物語上の難点はあるものの、アニメ版よりも原作小説に「準拠」している内容であり、「実写」ならではの見どころも多い作品です。

※以下、実写版およびアニメ版『魔女の宅急便』のネタバレに触れています。

小芝風花さんを筆頭にキャストは好演

 実写版の何よりの美点は、500人を超えるオーディションのなかから主人公「キキ」役に大抜擢された、当時15歳(撮影時には16歳)の小芝風花さんの好演です。太い眉毛を持ち強い意志を感じさせながらも可憐さがある小芝さんは、天真らんまんで少しわがままなキキの印象にこれ以上なくマッチしており、13歳で独り立ちをする不安でいっぱいなキキの心境も、見事に表現されていました。

 他にも、「おソノさん」役の尾野真千子さんも、アニメ版のようにふくよかな体型ではないものの、世話好きで優しい印象が伝わります。さらに、「トンボ(演:広田亮平)」はアニメ版のようにナンパ的な振る舞いはせず、生真面目な性格ゆえにキキと衝突してしまうのですが、だからこそふたりが終盤に結託する様がエモーショナルになっています。

日本風の世界観も許容できる?

 一方で、アニメ版のヨーロッパ風の世界観やキャラクターの印象が強固であるがゆえに、実写版の「ロケ地が小豆島」「キャストが全員日本人」という時点で、拒否反応がある人もいるでしょう。

 映画冒頭のテロップでは「【魔女】の存在が信じられている東洋のある町でのお話しです」と堂々と表示されていますし、洋風のテーブルや椅子などがあるとはいえ、全体的には日本風の世界観で、思い切りコンクリート建築の学校の校舎も映り込んでいます。

 とはいえ、筆者個人としては原作の時点から「『お』ソノ」や「すみれ」という日本風の名前がありましたし、原作の物語はとても小さな範囲で起こる人情劇なので、この「身近な感じ」も『魔女の宅急便』らしいのかもと、それほど違和感はなく見られました。

 また、実写版のナレーションも担当している原作者・角野さんも、公開時のインタビューで「舞台となるコリコの町はどこの国でもないと思って書いている」ことを前提に、パン屋のオープンセットが組まれた小豆島を訪れた際に「素晴らしいロケーション」「中の造りもとてもパン屋さんらしいっていうか、キキが座ってそうな感じ。そして海が見えてね」と言っており、世界観の「再現度」にお墨付きを与えていたようです。

なぜ『呪怨』の監督が?ホラーとファンタジーにそれほど違いはない?

 実写版の大きな特徴は、監督が「呪怨」シリーズなどのホラー作品が有名な清水崇さんという点です。監督自身も、「ええ!?なぜ、俺なんですか?」と聞き返したといいます。

 オファーの理由は、清水監督が撮ったオムニバス映画『非女子図鑑』のオープニングとエンディングがファンタジックだったためだったそうで、実際「ファンタジーもホラーもあまり変わらない」感覚で、楽しく撮影することができたそうです。

 本編を見てみれば、日常のなかに空を飛ぶ魔法やしゃべる黒猫の「ジジ」というファンタジーな要素が入り込んで来る感覚は、普通の人の暮らしに異物としての幽霊やモンスターが襲いかかるホラー映画のアプローチと大きくは変わらないと納得できるところもありました。もちろん怖いシーンはほぼなくて、ホラーが苦手な方や子供も安心して観ることができます。

「カバを送り届ける」エピソードは原作準拠だが……

 また、本作が原作に準拠していると言えるのは、原作の2巻にある「カバを送り届ける」エピソードが再現されていることでしょう。アニメ版のクライマックスの「飛行船事故」は原作にないオリジナルだったので、そちらとの差別化にもなっています。

 ただ、問題は「映画的な盛り上がりのためにシチュエーションを変えた」ことで、物語に説得力がなくなっていることです。キキは弱っているカバを医者の元へ運ぶのですが、原作と違って「嵐が起こっていて船を出せない」ほどの危険な状況となっているのに、13歳の少女にその依頼をする大人たちの判断が正気とは思えないのです。

 実写版の脚本は清水監督と『国宝』でも知られる奥寺佐渡子さんが共同で手がけており、「人それぞれの能力は現実にも存在する魔法である」というメッセージがアニメ版より強固になり、ひとりの少女の成長物語としてはちゃんとしていました。だからこそ、説得力に欠けたクライマックスの描写のために評価を落としてしまうのは残念です。

 そういった難点はあるものの、実写ならではの俳優たちの好演や「これはこれで」身近で魅力的に思える世界観は一見の価値があります。また、トンボが自転車飛行機を作るというアニメ版の設定を借りている(原作のトンボは魔女や魔法の絨毯の研究をして空を飛ぼうとしている)場面もあって、原作とアニメ版の両方へのリスペクトも十分に感じられました。

『耳をすませば』の実写版もそうですが、過剰に忌避感を持ちすぎず、一度観てみてはいかがでしょうか。

配信元: マグミクス

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