ここ数年、「ととのう」ブームの延長線として人気を拡大しているのが「サウナヴィラ」だ。1棟貸しの別荘や高級ヴィラにプライベートサウナを備え、好きな時間にロウリュや外気浴を楽しめるスタイルで、淡路島や富士山周辺、沖縄などでは新規開業が相次いでいる。
特に若年層やカップル、グループ客からは「他人を気にせず楽しめる」「深夜でも自由に入れる」と支持され、コロナ禍以降の「非対面指向」とも合致。一方で「無人運営」による事故リスクを不安視する声が出始めている。
問題となるのは、宿泊業界の深刻な人手不足だ。最近のサウナヴィラでは、スマートロックやオンラインチェックインを導入し、現地にスタッフが常駐しないケースが珍しくない。運営側にとっては人件費を抑えられるメリットがあるが、利用者側は「完全自己責任」に近い状態となる。
自然立地ゆえに都市型サウナにはないリスクが…
サウナは想像以上に、体への負担が大きい。高温状態から冷水へ入ることで血圧が急変し、めまいや失神を起こすケースがある。特に危険視されているのが「飲酒後サウナ」だ。ヴィラ利用ではBBQや酒席がセットになりやすく、酔った状態で水風呂やプールへ入ることで、転倒や溺水事故につながる恐れがあるのだ。
さらに夜間は照明が暗く、濡れたウッドデッキやタイル床で滑る事故が起きやすい。自然立地ゆえ虫や悪天候など、都市型サウナにはないリスクも潜んでいる。
サウナ人気の高まりとともに「より刺激的な入り方」をSNSで競う風潮が見られるが、サウナ専門家は、
「長時間にわたって我慢する『追い込み型』はとりわけ危険です」
と警鐘を鳴らすのだ。
癒やしのはずのサウナヴィラ。その快適空間は、安全管理の上に成り立っていることを忘れてはならない。
(旅羽翼)

