
『となりのトトロ』場面カット (C)1988 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli
【画像】え、「すげえ再現度」「ちょっとだけ新しい?」 実際に作られた「サツキとメイの家」
カンタ「おっばけやーしきー」の意味が少し違って聞こえる?
映画『となりのトトロ』(原作・脚本・監督: 宮崎駿)に登場する「サツキとメイの家」は、誰もが懐かしさを覚える不思議な家屋です。オンボロかもしれませんが、日本家屋と洋間がつながった、赤い屋根がなんとも印象的なこの家屋は、2005年に開催された「愛・地球博」で実際に建てられ、現在も「ジブリパーク」のエリア内で公開されています。
さて、この家の魅力は立地です。周囲と比べても、小高い丘の上にあるため、日当たりは抜群で、室内にまで燦々と陽が注ぐ描写が印象的でした。そして、それにはちゃんと理由があるのです。
本編でははっきりと明言されているわけではありませんが、「サツキ」と「メイ」とお父さんの「草壁一家」は、入院中のお母さんが退院して戻ってきた時のために、空気が綺麗な療養場所として、この家に越してきました。
そして、この家には宮崎駿監督本人が語る「裏話」があります。
この家はボロボロながら、家屋の建物自体は完成しているのに、庭の整備がほとんどなされていません。それは管理が行き届いていない、ということではなく、庭自体が未完成なのです。申し訳程度に、石灯籠と池が設置されているだけでした。
宮崎監督は、その理由を「前の持ち主が途中で死んでしまったから」だと語っています。結核患者のために建てられた別荘だったものの、その患者が亡くなってしまい空き家になっていたというのが、公式の「裏設定」というわけです。
さらに付け加えるなら、あの「カンタ」のおばあちゃんは、昔その家に女中奉公をしていたのでは、というイメージもあったようです。おばあちゃんが、あの家自体にもすごく愛着を持っているように見えるのは、こうした背景があったからなのでしょう。
以上の情報を踏まえると、カンタの有名な「お前ん家、おっばけやーしきー」のセリフも、少しだけ意味が変わって聞こえます。見た目のボロボロ具合に加え、前の家主の話をおばあちゃんからそれとなく聞いていたから、「お化け」について言及したのかもしれません。
参考書籍:『ジブリの教科書3 となりのトトロ』(文春文庫)
