「法螺貝もスタジオ入って練習させてもらいました」

『ナイン・ソウルズ』以来22年ぶりの豊田監督作品で、危険な宗教家・阿闍梨を演じた千原は、現場での久々エピソードとして「『今度映画やんねんけど、ちょっとだけ出てくれへん? 手伝うてくれへん?』って(豊田監督から)電話かかって来て、『いいよ』って言って。それで台本送られてきたら、めちゃくちゃ喋ってる(笑)。完全に騙されたなっていう印象ですね」と台詞量の多さに面食らった様子。「現場は久しぶりでしたけど、知った顔がたくさんいて。皆さんに優しくしていただいて、非常に楽しかったです。法螺貝もスタジオ入って練習させてもらいました」と振り返っていました。

『全員切腹』以来4年ぶりとなった豊田監督の演出について、狼介の彼女・野々花を演じた芋生は「豊田監督作品は大好きなので、本当に光栄でした。前回、私は顔が全く映っていないので、今回やっと映って嬉しかったです」と頬を緩めて「監督は本当にすごく丁寧に演出してくださるんですよ。台詞の音の響き方とか。客観的に見てこう見えてるよとか、こう聞こえてるよっていうのを、すごく丁寧に教えてくださるので、そこの信頼感もありつつ、本当にこの作品に魂を注いでいるっていうのを傍で見ていて、そういう姿を見るだけで、全部を私も注げるなっていうような気持ちでした」と豊田監督への感謝を語りました。
「顔、すごかったです」千原ジュニアの表現に衝撃

『アンチェイン』以外の豊田監督作品に全て出演しており、田舎の不良・鉄平を演じた渋川は「『ポルノスター』からのジュニアがいることで、すごく懐かしいというか。『ナイン・ソウルズ』と『ポルノスター』でジュニアは一緒だったんですけど、最初の『ポルノスター』で、何も分からないときに初めての映画でジュニアとやったときの感じが戻ってきました。モニターを見たときにすげえなと思いました。顔、すごかったです」と千原の表現に衝撃を受けた様子。「豊田さんとジュニアの関係が見えたというか。すごかったですね」とも称賛していました。
『破壊の日』以来となる5年ぶりの松田との共演について、窪塚は「『破壊の日』も、渋谷の東郷神社ですれ違っただけだもんね。なので、共演っていうのは本当に今回が初めてっていう印象で。役者・松田龍平と対峙するっていう楽しさを存分に味わわせてもらって。対峙する前に、夜に別のパーティーとかで対峙しちゃうことの方が多くて(笑)。結構、飲みの場で会ったりしてたので、そっちで知ってるっていう方が多くなってきていた後の現場だったんですよ」とプライベートで交流を深めていたことを紹介。
「豊田監督と龍平が『青い春』をやっていたころに、俺が『ピンポン』をやって、龍平を認識したころの松田龍平が、そこに現れて対峙するっていう。そういうエモい現象に陥ったりしながら、本当に楽しい時間を過ごさせてもらいました。それがフィルムに焼き付いて、いい味が出ているといいなと思っております」と本作の撮影を満足げに振り返りました。
一方の松田は「窪塚くんが言ってくれた通り、ちょこちょこ会ってたんですけど、今回はお芝居で、現場で会って、窪塚くんの格好が、ポスターで見た人もいると思うんですけど、めちゃめちゃロン毛で、肌が焼けてて。日焼けしてましたよね。まさに狼介だなって」と窪塚のビジュアルが新鮮だったようで、「なんで日焼けしたんですか? めちゃめちゃ黒かったですよね」と質問。窪塚は山で暮らしている山伏という設定に合わせたアプローチだったことを説明し、松田は「バカンスに行ってたわけじゃなくて?」と笑顔を見せ、窪塚は「バカンスを兼ねて。一石二鳥的な感じで(笑)」とにこやかに返していました。