「若山様、手当、高速はカードにて、ガソリン」
さらに寺尾氏が「見逃した」という領収証の内容は、当然学校の経理部門もみている。だが部活動を管理する学校の態勢について灰野校長は「安全に関する部分は部活動に任せている部分、部活動の採用に委ねる部分が多かった」と言い出した。
結局、蒲原鉄道はレンタカーと外部運転手を手配したことを経理書類で高校に知らせていたのに、部の顧問は“内容を見逃し、営業担当者を信頼していたのでそんなことはないと思っていた”と主張し、学校トップは“部に任せていた”という状態で蒲原鉄道の主張を否定していたことになる。
いっぽう事故現場にあった若山容疑者のものとみられるカバンの中から「若山様、手当、高速はカードにて、ガソリン」と表書きされた封筒が見つかり、中に現金3万3000円が入っていたと灰野校長は明らかにした。
この現金のうちのいくばくかが、蒲原鉄道から若山容疑者に先払いされた手当であった可能性があるが、蒲原鉄道の金子氏は事故のあった6日夜、
「(容疑者への報酬は)まだ支払ってません。後(あと)に支払いますので。それに時間によって、拘束時間によって料金違いますので」
と話していた。
金子氏は当時、若山容疑者が実際には所持していない二種免許を持っているとも説明しており、同氏の説明も徹底的な検証が求められる状況だ。
バスは死傷事故を起こす前にも車体を接触させる事故を起こしていた
寺尾氏によれば、6日の事故の前、若山容疑者が運転したバスは死傷事故を起こす前にも車体を接触させる事故を起こし、そのまま走り続けていたと、バスに乗っていた生徒らが保護者に話しているという。
さらに若山容疑者は事故の約1週間前にも運転していた軽乗用車を大破させる自損事故を起こしていた。(#2)
そんな若山容疑者と面識もなかった金子氏は、高校生を乗せて長距離を移動するバスの運転席に座らせた。そんな金子氏を「信頼していた」という部顧問の寺尾氏は、自分はバスに乗らずにマイカーで出発し、事故が起きた時、バスのはるか先を走っていて事故発生も把握できなかった。
あまりに無責任な態勢で生徒が亡くなり、刑事責任の究明も始まったばかりなのに、高校は早くも男子ソフトテニス部の対外試合参加の復帰の検討を始めているという。生徒の安全を守る体制は整えられるのだろうか。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

