5月2日の試合後、ほどなくして「再戦」という言葉が出始めた、ボクシング「世紀の一戦」。世界スーパーバンタム級4団体統一戦で防衛に成功した王者・井上尚弥と、敗れた中谷潤人にまつわるものだ。
井上自身、その選択肢を口にすると同時に、中谷のトレーナーであるルディ・エルナデンス氏も、
「もし再戦で井上選手に勝てなかったら、もう二度とボクサーの指導はしない」
とリベンジに意欲を見せている。
ところがこれに「待った」をかけるのは、元世界3階級制覇王者の長谷川穂積氏だ。
「たぶん8ラウンド、9ラウンド以降は、中谷選手もいい攻撃ができて、勝てるんじゃないかなって思って試合してたと思うんですよ。それまでは、勝てたらいいな、でやってたと思うんです。8ラウンド以降、自分もいいパンチを当てて、勝てるっていう自信が芽生えた。だからもう一回やりたいと思うんですよ。その戦い方にもっていければ、勝てるかもしれないって」
自身のYouTubeチャンネル「長谷川穂積のラウンド13」5月10日の動画で試合を振り返ると、「再戦反対」の理由に踏み込んだ。
「再戦はまぁ、僕はもういいかなと思いますね。なぜかっていうと、すぐの再戦はなかなか難しいと思うんですよ」
確かに井上にとっては、いったん決着がついた相手とすぐさま再戦するメリットは見当たらない。
「それだったら違う試合が見たいな」
長谷川氏が続ける。
「これが2年後、3年後にやるとした時に、井上選手はちょっと落ちてるはずなんです、年齢もあって。中谷選手は年齢もあって、上がってる。ちょっと落ちかけてる井上選手と上がってる中谷選手がやって、面白くないというか。今回、どっちもピーク同士で上がってたから面白かったんですけど、それだったら違う試合が見たいなと思いますね」
再戦があるとすれば、世界フェザー級王者となった井上に中谷が挑む、もしくはフェザー級の王者になった2人がベルト統一を懸けて…といった展開なのか。確かにその頃、2人の力関係とボクサーとしてのピークがどうなっているのか、疑問の余地はあるかもしれない。
(所ひで/ユーチューブライター)

