「日本として恥ずかしい、情けない」
5月11日の参議院決算委員会でそう吐き捨てたのは、高市早苗総理である。食料品の消費税を「ゼロ」にするという自身の公約に対し、レジ業界から「改修に1年かかる」という信じがたい回答が突きつけられ、苛立ちが爆発したのだ。
この発言に対し、国民からも至極真っ当な疑問と怒号が噴出している。それはそうだろう。竹下登内閣での消費税導入時も、村山富市内閣の増税決定時も、税率変更レジ改修は数カ月で対応できたはずだ。にもかかわらず、なぜ下げる時だけ1年も時間がかかるのか。
流通ジャーナリストによれば、
「軽減税率ですでに8%と10%の区分けはできている。数値を書き換えるだけなら、本来は数週間で済む作業」
そして「1年」などというトンデモない数字で浮かび上がってくるのは、
「財務省によるプロパガンダです」
という経済ジャーナリストの指摘だ。
「財務省は一度ゼロにすれば二度と元に戻せなくなることを、とても恐れていますからね。だからわざとハードルの高い『レジ改修1年』という情報を実務者会議に流し、議論を迷走させているのでしょう。実務者会議では『0%は難しいが、1%なら半年でできる』といった奇妙な妥協案まで浮上していますが、これにはエンジニアたちから『0も1も設定変更の手間は同じだろうに、何を言っているのか』と冷笑が漏れています」
「できない理由」ばかりを並べる官僚や業界
つまりレジ改修問題の裏には「減税だけは絶対に阻止したい」という財務省を中心とした「増税マフィア」が暗躍しているというのだが、一方でレジメーカー側の本音は複雑だった。
「レジメーカーとしては『想定外の変更には弱い』という建前はあるものの、本音では『国からの補助金を引き出したい』『この機会に旧式システムを一新させたい』という営業的思惑があることは事実ですからね。結局、財務省はそういったメーカー側の弱みを巧みに利用し、なんとか減税を阻止しようと画策しているわけです」(前出・経済ジャーナリスト)
高市総理の公約実行を阻んでいるのは技術の壁ではなく、利権の壁ということか。今後は「できない理由」ばかりを並べる官僚や業界に対し、総理がどこまで政治の力で押し切れるかが焦点となる。
このレジ改修騒動は単なるシステムの問題ではなく、この国の「やる気のなさ」を象徴する、まさに「恥ずかしく、情けない」喜劇に思えてならない。
(灯倫太郎)

